#17「リュックサック」

金髪刺青ギタリストにして写真家の田村君とのコラボレーション17回目。



「リュックサック」


僕たちはいつも、何かを拾い、何かを捨てていくんだ

僕らのリュックには限りがあるから、

大切なものを置いていかなきゃならない時もある。

でも君より大切なものなんてないから、

いつも君はリュックの一番奥にしまっておくんだよ。

でもそれで君の事を忘れてしまうことがあるんだ。

ごめんよ。本当にごめん。

でも僕のリュックには君がいるんだ。

一番奥に。ずーっと奥に。

誰にも触れないところに。


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#16

金髪刺青ギタリストにして写真家の田村君とのコラボレーション。16回目。今回はボクの娘誕生のために田村君が選んでくれた写真をセレクト!!



「光」

未来に光があるのかは

誰にもわからない

でも光を信じる者だけが

光へ向かって歩いていける

本当は自信がないんだ

暗闇が恐くてしょうがないんだ

でもどうにか歩き出せそうだよ

君のためなら

君がいるから


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#15「一本道」

金髪刺青ギタリストにして写真家、田村君とのコラボレーション15回目。



「一本道」

一本道は必ず行き止まると言ったのは君だったかな?

もっとバランスとか、もっと広い視野でとか、いろいろ言うけどさ

僕は真っ直ぐ進むしかないんだよ

だってこの一本道の先には君がいると信じているんだから

たとえ雪が降ったとしても、例え槍が降ったとしても

それともカエルが振ってきたってさ

僕は真っ直ぐ進むんだよ

君の赤いマフラーを追い求めて


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「甘い匂い」

金髪入墨ギタリスト、田村君とのコラボレーション14回目。今年初になります。ちょっとさぼってたね。



「甘い匂い」


君の匂いがして、僕は振り向いた。

君はただ笑って、大きな目をさらに大きくしてた。

僕達は何も持ってなかったね。

握り締めるものがなくて、ずっと手持ち無沙汰だったよね。

そう、そんな状況で僕らは出会ったんだ。

でも、君の手を握り締めた瞬間、何かが変わったんだ。

世界がすべて味方になったような気分だった。

それはでも、きっと嘘で、

今も僕はたくさんのうんざりすることに囲まれている。

僕の味方は君だけだ。

でもそれでいいんだ。僕の言う世界のすべては君なんだから。

世界のすべては君で出来ているんだよ。

あれから僕は、

君の手を離してしまうことだけが怖いんだ。

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#12「狂い咲く/傍観者」

金髪刺青ギタリストにして写真家、田村君とのコラボレーション第12回。




「狂い咲く/傍観者」

モノクロの僕の生活に、

グロテスクなまでにカラフルで、キレイな女性が現れた。

彼女は緑色の目をして、黄色いくちびるで、青い耳たぶをしていた。

彼女は言った「あなたは何をしている人?」

僕は答えた「君を見ている人だよ」

「あぁなるほど、ただの傍観者ね・・・」

彼女は僕にがっかりしたようだった。

がっかりされるのは慣れてる。いつものことだ。

でも、僕は彼女から目を逸らすことも出来なかった。

彼女は踊り続けた。一時も傍観者になどならずに。

世界中の視線を自分に集めた。

彼女の狂い咲くような踊りは、こちらの息を止めるように暴力的だ。

僕はまばたきもせず見続けた。

ただ、ただ見続けた。

彼女はどんどん花を咲かせていった。

野原をすべて埋め尽くすように、すべての光を食べつくすように。

君が踊るたびに、僕の周りは黒く塗りつぶされる。

それでも僕は、まぶたを閉じることもできないんだろう。

耳を塞ぐこともできないんだろう。

ただの傍観者だから。傍観者だから。

そんな人生を君はどう思う?


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何もない日々

金髪刺青ギタリストで写真家の田村君とのコラボレーション11回目。




「何もない日々」


何もない穏やかな日々が、僕のことを追い詰めるんだ。

太陽は穏やかに僕の頭上で笑い、

小犬がしっぽを振って走り回る。

誰もが幸せそうで、そして僕だって幸せなはずなのに、

この胸にモヤモヤするものはなんなんだろう?

大切な何かが、この日常の中で腐っていく。

大切な何かを捨てることは、何かを得ることなのかもしれない。

小犬が小さな声で呟いた。

そして僕は聴こえない振りをする。

僕の中の心の生命維持装置は、大きなサイレンを鳴らす。

こんな穏やかな世界に場違いだよ。

わかってる。わかっているんだ。

柔らかな木漏れ日でさえ、刺すように痛いんだ。


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#10「バニラ」

金髪刺青ギタリスト田村君とのコラボレーション10回目。




「バニラ」


あぁ、今にもボクは溶けてなくなりそうだ。

よだれをたらして、地面に倒れこんだまま、

ボクの後悔と快楽と羞恥心が、白く広がっていく。

誰かがボクを踏みつけて、靴底に甘い匂いが張り付いた。

何度も何度も踏みつけられて、やがてボクは消え去っていくんだ。

あぁ、君の舌と唇を、白く汚してしまうつもりだったのに。

太陽なんて大キライさ。

いつだって眩し過ぎるんだ。

誰かがそんな言い訳してたな。

ボクもその意見に1票入れよう。

本当に眩しいんだよ。

どこまでも追いかけて来やがって。


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