育児とは嫁への愛情から始まるのだ

イクメンなんて言葉ができてから、お父さんの育児が高まってるけど、逆に仕事より育児を優先することへの逆風が強くなっています。そりゃそうだ、仕事頼みたい時にいなくなっちゃうんだから。会社側からしたらそんなの評価はしにくいと思う。

でもまず第一に、子育てはそういうもの。突然具合が悪くなったり、親が必要な時はやってくる。だからこそ、社会で育てる意識が必要になってくる。子は社会の宝だからね。

でも重要な案件よりも大事なものが、子供の体調の話ではなく、子供のお遊戯会が、子供の運動会が、となるとなかなか判断が難しい。子供の成長を親が見たいのは当たり前だし、子供も見て欲しいとは思ってるとは思うけど、どのくらいの重要な案件なのか、個々の判断になってくる。まあそんなに重要なことはしょっちゅうないと思うけど、ありえない話ではない。

結局は、夫婦ともに働いている場合、どちらかが犠牲になることになる。どちらも運動会に来てない、とかはやっぱり子供にとって切ないと思うからね。そうするとやっぱりお父さんはできる範囲で育児に「参加」しましょうとなってくる。今はそういうことになってると思う。けどその意見待った。なぜその時に自動的にお父さんなの?お母さんじゃいけないの?

育児でお母さんじゃなできないことなんて、おっぱいあげるくらいで、それ以外は男でもできます。自分の経験でそれは断言できる。その場合お父さんとお母さんどちらが仕事を優先すべきか、話し合いになるべき。そしたら、より稼げる方が仕事優先すべきだと思うんです。もちろん100対0の話じゃなく、イーブンではない、傾くべき天秤の話で。その時に胸を張って、「俺は嫁より稼げるし、俺の方が仕事に向いてる」って言える人どのくらいいるのかな?現在収入が旦那の方が上でも、嫁さんの方が社会でちゃんとやっていけそうなところっていっぱいあると思うんだけど。

僕はこの問題、結局は子供への愛の話ではなく、嫁さんへの愛情の話だと思うんです。嫁がどうすると一番幸せな形なのか。それはお父さんが仕事優先かもしれない。その逆かもしれない。平日はフルでお母さんが育児で、その分休日はお父さんがフルで育児かもしれない。専業主婦はまた違うんだろうけど、夫婦そろって働いている場合は、そのバランスは愛情のパラメーターだと思っていい。だいたい子供への愛情なんて、父親は最初はぼんやりしたもんです。自分で生んでるわけじゃないんだから。その発火点は嫁への愛情。そののちに子供への愛が膨らんでくる。

なので形は人それぞれ。いろんな形を認めてあげられるように、社会がなっていけばいいなぁーと思ってます。子供の笑顔が未来の光ですよ。

でも、イクメンって言葉嫌いだなぁ。あともっと嫌いなのが「育児手伝ってます」って胸張って言う奴。手伝う?お前の仕事でもあるだろうが。

宝物のいるキレイな世界

改めて、今家に帰って来て、子供が出来たことについて、自分の中で考えを巡らせています。「おしるし」があったのが木曜日の夜。金曜日の夜は15分おきの陣痛でほとんど眠れず、土曜日は朝から嫁の世話をずっとしていて、結局土曜の深夜に病院へ。ドタバタコメディーのように家を出たので、その残骸がまだ家の中に残っています。あれは焦ったなぁ。

しかし実際に病院に行くと冷静な僕がいました。ずっと嫁の手を握り、一緒に呼吸を繰り返す。出産は嫁のものではなく夫婦のもの。嫁がありえない叫び声をあげても、僕が動揺してはしょうがない。冷静に顔を嫁の目の前に突き出して一緒に呼吸をさせる。家にいる時は苦しそうな嫁を見て泣き出しそうだった頼りない僕は、もっと苦しそうな嫁を見てるのに、ただ励ますことに集中していました。

実は出産に入る前に、病院の先生に、もしかすると三つ口(所謂口に生まれつき裂傷のようなものが出来ていること)の可能性があることを指摘されました。もちろん機能に問題があるわけではないし、見た目だけの問題。友達にだっていたし、そんなことは気にしないのだけど、それを言われた時に、もし娘がそのことで泣いたりした時は、僕が守らなきゃいけないんだと、実感したんです。腹をくくったのです。娘を守るのは僕なんだと。

出産は結局無事済み、娘も何の障害もなく、三つ口でもなく生まれて来ました。出てくる瞬間、僕は静かに泣いてました。でも、僕は子供が生まれることの感動よりも、嫁がこんなに頑張ってることへの感謝で泣いてました。嫁の頭をなでながら、ずっと感謝の気持ちでいっぱいでした。子供の泣き声を聞いて、はじめて子供のことを思い出したくらい。終わった時はとにかく終わったことへの安堵感。そればかりでした。

娘の「たお」(読みは決まってますが漢字はまだ決まってません)はとても元気で、それでいて穏やかで、なんとも頼もしい娘でした。その泣き声は本当に美しくて、どの赤ちゃんよりも澄んで聴こえます。きっとそれは親バカですけど。

宝物の嫁から、宝物の娘が生まれました。僕はこれから宝物に見合う宝箱を作らなくちゃいけません。でも大丈夫。僕一人で作るんじゃないんです。3人で作るんです。僕らはいつだって3人組なんだから。

2010年2月14日6時43分、2628グラム、48センチの少し小さな女の子、えがわたおは生まれました。世界一仲の良い夫婦の家に生まれた世界一幸せな子供です。これから光溢れる未来に向けて歩き出します。みんなこれからずっとよろしくね。

僕は病院を出て駅に向かう間、なぜか涙が止まりませんでした。何で泣いているのかまったくわかりません。でも世界がこんなにキレイなことにはじめて気付いた気がします。僕と嫁の二人の世界だけじゃなく、世界中がキレイなんじゃないだろうか?そんな風に思って歩いてました。

僕は世界中に感謝していました。宝物のいるこのキレイな世界に。

みんなどうもありがとう!!そしてご心配おかけしました!!





今年もお世話になりました!!(ベストアルバムつき・プレゼントつき)

今日から嫁の実家長野に行ってきます。楽しみは年越しそば。そばどころ長野ですが、嫁のお母さんの作るそばはまずいんです(内緒)。でもそれを確認するのが僕の恒例行事となってます(笑)。お母さんすいません。

今年もみなさんお世話になりました!!来年こそアルバム!!来年こそ作家としてブレイク!!来年こそフワリカ盛況!!この3つを目指す所存ですので、ご指導ご鞭撻の程を来年も変わらず宜しくお願いします!!

それじゃあ最後に今年のベストアルバムを発表して。

「WE WERE DEAD BEFORE THE SHIP EVEN SANK」/MODEST MOUSE
 今年は何よりモデストマウス!!サマーソニックでのライブもかっこよかったし。最近僕は革新的なところに比重を置いた音楽にそれほど興味がなくなり、伝統を受け継ぎながら、なぜかおかしなことになってる音楽に惹かれます。このアルバムはまさにそう。ブルーズやカントリー、フォークといったアメリカの土着音楽を下敷きに、トーキングヘッズ経由のリズムの多様さ(ダブルドラム!!)、そして物悲しいメロディーが展開される。サウンドアレンジも素晴らしいし、ジョニー・マーも久々にイキイキ。今年の1等賞。

「TIME ON EARTH」/CROWDED HOUSE
 僕の大好きなクラウデッドハウスの復活作。この人達の作品はいつでも安心して聴ける。ニール・フィンは僕のフェイバリットソングライターですから、悪いはずがありません。いつも通りポップソングでありながらどこかビターで、シンプルでありながら、良く聴くと入り組んでる。実に音楽的。この人達は音楽以外の無駄な要素を感じさせない。この境地にはなかなかいけない。自分のパーソナリティーで埋めようとしちゃうから。まあそれが悪いわけではないですが、音楽だけで勝負できる力量に脱帽。

「GA GA GA GA GA」/SPOON
 今年知ったバンドの中では一番好み。地味なんだけど深いメロディー。少しロウファイな音色も好み。全然名前知らなかったけどもう6枚目のアルバムなのね。しかもこのアルバムで全米ブレイク。ちょっと60年代のブリティッシュの匂いがするんだけど、アメリカのバンドなのでどこか土の匂いもする。そしてオルタナティブの波を受けた世代ですから、サウンドの質感にひねりがある。これが特徴。こういう良いバンドが浮かび上がれるシーンはすごく健全だと思う。

「赤盤」/斉藤和義
 このアルバムはオリジナルとカバーが半々。どれも斉藤和義色に染められてるのが素晴らしいんだけど、このアルバムで好きなのは歌詞。最近は歌詞を書くことがすごく好きなので、特に歌詞を熟読するんだけど、このアルバムは歌詞が凄く良くて。それでよーく歌詞カードを見てみると、なんと作詞は斉藤和義さんじゃないものが多くて。しかも僕の好きな作家の伊坂幸太郎さんが書いてる!!それでなんかいつもと違うなぁ・・と思ったのね。作家の人が歌詞書くと微妙なのが多いけど、これはいいです。

「THE FREEDOM SPEAK」/LARRIKIN LOVE
新人ではこれが一番。いろんな音楽をボヘミアン美学で縫い上げたなんとも味わい深い作品。それでいて若さもある。アコースティック楽器の響きが大事にされてていいよね。文学青年の心の奥底にあるマグマとプライドみたいなものがさわやかに表現されてるからなんだか奇妙な気持ちがココロに残ります。次にも期待!!と思ってたら解散しちゃうところもひねくれててらしい。

僕の中では今年は豊作でもっともっといいアルバムはあるんだけど5枚に限定。禁断の2枚目でよかったHARD-FI、MIA、THRILLS、新人ではRUMBLE STRIPS、中堅ではHIVES、BRIGHT EYES、CRAP YOUR HANDS SAY YEAH、BRMC、ベテランではRADIO HEAD、ASH、TWO LONESWORDSMEN、も良かったし、日本だとGOING、髭、くるりなんかが良かったな。来年もたくさんいいアルバムに出会えますように。そして自分のアルバムも!!みんなに年末プレゼントということでアルバムから1曲「WEEK END」をマイスペースにUPしておきます。年末年始に楽しんでください!!

http://www.myspace.com/hiroshiegawa