「新しい青の時代」/山田稔明

GOMES THE HITMAN山田稔明3枚目のソロアルバム。ソロでは初の全国流通盤。ゴメスではネオアコ寄りの音楽をやってましたが、ソロではどっぷりシンガーソングライターの音楽を紡いでいる山田君。今回の作品も丁寧に作られた職人気質なシンガーソングライターのアルバムで、ジャクソンブラウンや、HOOTERSを感じる瞬間もあって良質な音楽という言葉が本当に似合います。
手触りまで感じるようなメロディーは小さいころから使っている暖かい毛布のようで、印象的な言葉は遠く離れた場所に住む親友からの手紙の様。とにかく暖かくて、心に沁みるアルバムです。でもただ単純に優しいだけのアルバムではなく、どこかクールな、現状をしっかり見つめているような印象があるのが本当にいい。ただ上っ面の優しさじゃないんだよね。そこは実際に山田君と話した感じに似てます。
こういう音楽が音楽好きだけに聴かれるのは歯がゆい。もっと本当の優しさを、温かさを必要としている人に届いて欲しいな。何も起こらない毎日に落胆してる人。すべてが素通りしていくような日々にうんざりしている人。そうそれは君のような人に。