レビュー:「Crimson/Red」/Prefab Sprout


孤高のシンガーソングライター、パディ・マクアルーン率いる英国ポップの良心、プリファブスプラウトの9枚目くらいのアルバム。くらいっていい加減な(笑)今回もまったく隙のない、すべてにパーフェクトな音世界。そしてなんといってもバディ・マクアルーンの声!今のような低バジェットで制作される音楽の中で、こんなにも音がきらびやかで、高級感が漂う音楽があるだろうか?しかも上流階級のような鼻持ちならない感じもなく、気品のある労働者の風情。なんというか、凛とした美しさ。この音楽作るには細部にまで気を配って、すべての音を徹底的に突き詰めたんだろうな。そしてその音に最高に美しい声が乗って完成する完璧な世界。こりゃあ脱帽。過激なことなんかしなくても、最高に刺さるポップミュージック。