「They Want My Soul」/Spoon

アメリカインディー界の良心。着実な歩みで全米トップ10まで上り詰めたスプーンの8枚目のアルバム。全米4位でありながら、非常に実験的な作品だった前作の後、それぞれが個人活動を行い、たっぷりとエネルギーを取り戻して再集結。今回もオーセンティックなR&Rやソウルの香りをさせながら、音自体は非常に現代的で、これぞモダン!という出来です。この人達は音自体が本当に面白い。その配置のさせ方、音の置き方がとても独特で、そこに美学を感じる。でも音楽自体はキャッチ―だし、落ち着いたものなので、頭でっかちにもならなくて、そのバランスがとても好き。僕がずっと追い求めてる音に近いバンドだなぁ。なので憧れと共に悔しさがこみあげてくる。いい音楽作りやがってチクショウ!みたいな。今回はデイヴ・フリッドマンとジョー・チッカレリをプロデューサーに迎えてるのも味噌。この味の濃いプロデューサーを迎えてもスプーン色に染め上げるのが凄いなぁ。デイブ・フリッドマンなんて全部の作品がデイブ色になるのが普通なのになぁ。これはできればPCじゃなくて、ステレオやちゃんとしたスピーカーで聴いて欲しいなぁ。その方がカッコよさを数段上で味わえるので。まあどっちにしろグッドメロディーは伝わるけれどね。今年のベストアルバム候補。