2015年ベストアルバム

明けましておめでとうございます。例年通りの実家でのグダグダした年末年始を過ごして参りました。ここらでねじを巻き直し、今年も精進して参ります。今年もよろしくお願いします!


さて、そう言いながら早速2015年の振り返りを(苦笑)恒例のベストアルバム!今年は思い切って洋楽邦楽垣根なく10枚だけ!切り詰めた!


1.「NO CITIES TO LOVE」/SLEATER KINNEY


今年の№1は女性3人組のガレージバンドの復活作に。僕の中では彼女らのアルバムの中でも最高傑作。現代的でありながらガレージそのものの荒々しい音で、そして激しいのに女性のしなやかさも感じる。2015年前半はこれに尽きるかな。


2.「Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sitl」/Courtney Barnett


これとどっちを1位にするか迷った傑作。デビューアルバム特有の瑞々しさも魅力かな。90年代のアメリカンオルタナそのものの音なんだけど、ここまで音に愛らしさを見せる人はなかなかいなかったと思う。なので聴いたことあるような音ではあるんだけどとても新鮮。次のアルバムもとても楽しみ。


3.Sound&Color」/Alabama Shakes


上記の2枚は個人的好みとして勝ってますけど、ミュージシャンの耳、または音楽のへヴィリスナーの耳としてはこれが№1でしょ。オーセンティックな構造の楽曲なんだけど、音の異様なハイファイさとか、配置とか、空間の捉え方とか、完全に最先端。これが今の音。今の音をシンセじゃなくて、ドラム、ギター、ベース、ソウルフルなボーカルで作るとてもモダンなアルバム。脱帽でございます。おまけに何回も聴くと沁みてくる。


4.SOFT CONNECTIONS 」/Nic Hessler


2015年に出会ったさり気ない名盤。まあ普通のポップソングだし、趣味じゃない人にはただの軟弱な音楽に聴こえるかもしれない。でも僕はこういう真正面からポップをやっていて、しかも手創りのなんとも人懐っこい側面のある音楽が大好きなんです。丁寧に作られた天才じゃない人の名曲。シンパシーしかないです。


5.To Pimp A Butterfly」/Kendrick Lamar


まあ普通に考えたら今年の1枚はこれでしょうな。ヒップホップ門外漢の僕も唸らせ、PAVELのオープニングSEにも使ってる傑作中の傑作。僕の中ではデアンジェロより今年はこっち。まあ評価の高いディアンジェロのライブ見たら評価変わってる気もしますが。元々過去の音楽遺産を取り込む音楽のヒップホップの豊潤さを感じます。たくさんの音楽が混ざった音楽って絶対かっこいいと思う。


6.「What For?」/Toro y Moi


これは本当にびっくりした。今の音楽ってテクノというか、コンピューターベースで作られた音楽の影響を受けて、伝統的な音楽が変わって行ってる歴史だと思うんだけど、テクノというかチルウェイブ側の人が普通のギターミュージック、サイケデリックギターポップを真正面から作ってきた衝撃。まあもちろんこの人ならではのセンスってのは入ってるんだけど、これをグラスゴーあたりにいる新しいギターバンドって言われたら絶対信じる。そしてこれを知らない人にトロイモアの新作だよって言われてもまず信じない。そのくらいの変貌。でもちゃんと良い曲書いてきやがったんだよなぁ。こういうことを向こう側の人にやられたら困るのよ。こちとら商売あがったりだわ。


7.「NO NO NO」/Beirut


いつも安定の無国籍ポップを届けてくれるベイルート。この人達は絶対に外さない。今回も頭のパーカションだけでもうこのアルバム良い!って思ったもの。音の処理は現代的だし、そこにアコースティックの温かみを忘れないところが本当に素晴らしい。今、ギターやピアノを使ったポップをやりたいならこうやるべし、という教科書のようなアルバム。正義の塊。まあその正しさが息苦しさにも繋がるところはあるけどね。文句は何もありません。俺の目標でもあるかな。


8.「Chasing Yesterday」/Noel Gallagher's High Flying Birds


結局メロディーは正義だと思うのはこの人のアルバムを聴くと思うこと。本当に嫌になるくらい良い曲を書く。吉田君が言ってたけど、この人は良い曲しか書けない病気なんだと思う。しかもソロになって、バンドにこだわらなくなって、上手い人を使って、すっきりしたアレンジで演奏するから、良い曲が際立つ。歌もまた上手くなりやがって。なんか今更オアシス?なんてバカにしつつ聴いてみて、いつもぶっ飛ばされる。このアルバムはオアシスの1、2枚目の次に並べることができると思う。他のオアシスのアルバムはぶっ飛ばしたかな。


9.「SAD COMMUNICATION」/POLTA


日本人では1番よく聞いたのはPOLTA。この人懐っこさで見えにくいけど、この人達は本物です。傑のメロディーメイカーとしての才能が見えるベースライン、そして何よりも愛ちゃんのボーカリストとしての覚醒が凄まじい。歌も、佇まいも、急に凛としてきて。そして愛ちゃんもメロディーメイカーなので、良い曲の源泉が二つあるのは強い。ギターポップ渋谷系と歌謡曲の良いところを掬い取ったポップソング。こういう音楽がヒットチャートに乗って欲しいなぁ。愛ちゃんはアイドルにもなれるから、ぜひ頑張ってほしい。


10.Tell Me I'm Pretty」/Cage The Elephant


2015年の最後にガツンと出会ったロックンロールバンド。難しいこと考えないで、サイケデリックの海に溺れて行けばいいんだと言ってるような、さり気ない暴力性がたまりません。もっと前半に聴いてたらもっと上位にいたかも。


という10枚が2015年のベストアルバムです。ここに惜しくも!って思えたのはカートヴァイルとディアハンター、あとはゴーチームとジュリアホルターかな。特にジュリアホルターは特別なところがある気がします。もうちょっと聞き込みたい。


今年はウィルコ、デスキャブ、モデストマウスといったアメリカインディーの大物(ディアハンターとカートヴァイル、ベイルートもそうか)のリリースが続きましたね。ただ、いつも通りの素晴らしい作品ではあるんだけど、今までの作品に比べて傑作かと言われると「?」の作品が多かったかな。モデストマウスなんて期待が高すぎて、冷静に聞くと凄く良いアルバムなのに、ちょっと残念にさえ思ったもの。


そして復活したバンドの充実作が多かったのも2015年かな。ニューオーダーとブラー、スワーブドライバーの復活が見事。リバティーンズはまあまあかな。ただその中で新しい魅力を足してきたブラーにはカムバック賞をあげたい。まあデーモンのソロとの折衷なだけなんだけどね。


そして上手い人が良い音で緻密なアレンジで音楽を作る。そんな真っ当な音楽の凄さを見せたのがディアンジェロ、アデルの米英のトップアーティスト。こういう音楽が消えるとカウンターの価値もなくなるから、ぜひ生き残って欲しいですな。バカバカお金使って高品位な音楽を作る。その世界がなくなったら困るのですよ。音楽は文化ですから。日本では意外にそんな音楽が身近に!と思ったのが高橋徹也さん。ベースの鹿島さん筆頭に一流の音楽家が奇才の元に集った素晴らしいアルバムでした。


あとはベテランの充実作も多かったね。キースの充実度はびっくりだったし、ポールウェラーの攻める姿勢もあっぱれ。スパークスとフランツの合体バンド、FFSはお互いが回春剤みたいなもので、いきり立った勢いがあった。あとはバートダベンポート!20年やってやっと浮上ってエピソードだけでもう感動しちゃう。全体的にベテランが元気な1年だったかな。まあベテランのは芳醇な音楽の時代を生きてきたアドバンテージがあるよね。若い人は大変だ。


あとは英語はわかんないので日本の話になるけど、歌詞の力はまだあるなぁーと思ったのが、ミムラスと山田稔明君。ミムラスはおしゃれな音楽を奏でていた人が、心をさらけ出した時に伝わる力。山田君は対象を絞ってイメージを聴き手に掴ませた時の破壊力。山田君は愛猫ポチについてのアルバムだったんだけど、その後にポチについての小説も出して。それを読みながらアルバムを聞いた時の衝撃はなかったなぁ。ああいう形の表現があるんだ・・・って目から鱗でした。まあ僕もたおについての音楽をやる時は考えてた形なんだけど、まさか小説までとは!


あとは周りにいる仲間の充実作も励みになりました。アルカナの「KILLING FLOWER」は必殺の一曲だったし、ブラックコメットクラブバンドの「№9」は大好きな無国籍ファンクの名曲がまた1つ生まれたなって思えた。すぐそこに良い音楽がある幸せ。そして刺激。頑張らないとね。


2015年も良い音楽にたくさん出会えました。2016年はどんな音楽に出会えるのか?音楽を聴くのって本当に幸せ。そして音楽を探す作業自体が本当に楽しい。この幸せをたくさんの人に広げていきたい。良い音楽を作ることと良い音楽を紹介すること。両方を夢中でやりたいね。


2016年はもっと音楽が大切になる。そう思ってます。


■ライブ情報

<PAVEL>
2/5(金) 高円寺HIGH
[we are the beautiful!]
出演:橋本孝志 with Dots Dash & RICO/Pavel/wilberry
open/start 18:30/19:00 ADV/DOOR 2,500/3,000
PAVELの出番はトップの19時です!

<たこ焼き>
1月17日(日)下北沢MOSAIC
「fall vol.6」
出演:橋本孝志 with Dots Dash & Rico / ArtTheaterGuild / サーティーン / 17歳と
ベルリンの壁 / 溶けない名前 / M.A.S
DJ ume-rock

2/11(木)高円寺HIGH
15:00開場15:30開演 前売り2500円 当日3000円
「幡ケ谷UNITED FC presents Party on Thursday」
☆BAND:SPIRO/THE TURQUOISE/水の中で雨中/響命オーケストラ/ハタユウスケグル
ープ/si,irene/yukino chaos/ROZEO EMBLEM
☆DJ:ゆってぃ/小林知之(火災報知器)
@ampcafe
☆LIVE:tomo(Jaded in Tokyo)/菊地伸
☆EXHIBITION:yE/STORY HEADS/ayimak
☆FOODS:ねこのて食堂/GOING UNDER GROUND石原の桶川名物スタカレー/JIMA-TAKE D
INNER/浦和おじさんエガワヒロシのレッズたこ焼き
前売チケット→HIGH、イープラス 1/11〜

チケット希望の方はegawahiroshi@nifty.comまで希望人数とお名前を連絡ください。