「結婚式は親孝行」


11年前の今日、僕ら夫婦は結婚式をしました。なので今日は結婚式記念日。入籍は9月なので、どっちが結婚記念日かいつも迷います。

結婚式には楽しい思い出しかないです。あんな楽しい一日あるんだ!っていう感想。まあ主役は嫁と両親ですからね。脇役の僕はみんなが笑顔の会場を見つめて、僕も一緒にニコニコしてました。

本当の意味では結婚式は両親のものだね。両親を喜ばせるためのもの。親孝行の最大ポイントだと思います。親孝行できるポイントってそんなにないからね。嫁の両親はもちろんだけど、うちの両親も嬉しそうで良かったな。

僕は3人兄弟の末っ子で何不自由なく育ったし、親からの愛情なんて疑ったこともなく育ちました。まあ父親は性格悪いけれども(苦笑)、母親は申し分なく良い母だなと誰もが認めるタイプ。みんなに親切でお人好しで、いつも明るくおおらか。

僕が音楽をやるからと家を飛び出した時の、ギターを見つめながら「これさえなければ・・・」とうなだれる母親の姿を覚えてます。僕が福岡から離婚する話を電話したら翌日飛んできて、前の嫁に土下座する母親の姿を覚えてます。しかも空港から家に行くまでの間に父親から母親へ宛てた手紙を見せられ(その中身は「お前の育て方が悪いからひろしはこんな奴になった」と書いてある父から母親への糾弾の手紙であり)それを辛そうに見せる母親の顔を覚えてます。

他にもたくさん思い出す、母親の姿。もうとにかく迷惑をたくさんかけてきたんです。みんなが好きになるような正しい、優しい、愛情あふれる母親なのに。そんな母親へのせめてもの、雀の涙ほどだけど、恩返しになっているのが11年前のあの日は嬉しくてしょうがなかったです。

母親は各テーブルに嬉しそうにお酒を注いで回り、僕のサラリーマン時代の上司(この人は会社に何度も僕を戻してくれた恩師)に、「神様みたいな人だ」と土下座せんばかりの勢いで挨拶して、笑顔でお酒を注いでました。可愛い、そして問題ばかりの末っ子がやっとまともになったという、嬉しさを全身で表現してました。

そして終盤、秋田の女で、酒には強いはずの母親が、いつもはチェイサーで飲む水を飲めなかったこともあり、だいぶ酒に酔ってました。たぶん嬉しくて高揚してた分もあるんでしょう。両家からの挨拶の際にはもう立っていられず、椅子に座っていました。具合の悪い母。

しかし、まず両家代表の挨拶。うちの父親は話が長いんです。どんどん具合が悪くなる母。そして新郎からの挨拶。僕も話が長いんです。だけど僕は自分がどれだけ良い両親に育ったか、自分がどんなに幸せか、泣きながら話しました。みんなが泣いた、涙のスピーチ。会場が感動に包まれました。そしてその時が、まさかの瞬間がやってきました。


母親がゲロを吐きました・・・・。


もう一度言います。新郎の涙のスピーチ中に母親がゲロを吐きました!(涙)


しかしそこは素晴らしい母です。ハンカチを口に当て、必死に耐えました。そう、ほぼ飲み込んだのです!(涙)少しその前に食べたキャベツ包みのゲル状になったキャベツが肩口についてましたが、ほぼ飲み込み。僕の涙はその瞬間きっちり止まりました。

そして会場は、最前列の親戚は母親が大変になっていることで騒然となり、それ以外の人は母親も僕の話で涙している・・・とさらに感動に包まれたのでした。

列席者見送りの際、もちろん母親はいません。真っ白な顔をした母親は控室で休み、控室で結婚式を終えたのでした・・・・。

もうものすごく楽しかった結婚式が、このエピソードで何倍も印象的になりました。吐くくらい感動的な結婚式で良かった!結婚式にこんな素敵な爆笑エピソードを残してくれる母親に感謝。こんな母親はそういない。まだまだ親孝行しなきゃいけない、そう思うのでした。

たおにとっても良いおばあちゃん。たおはおばあちゃん大好きです。一番ワガママ言うのもおばあちゃん。それを一番受け止めるのもおばあちゃん。たお、その最高のおばあちゃんはお父さんのお母さんだぞ。いいだろ?こんな良いおばあちゃんはそんなにいないんだからな。良く覚えておけ!