「恥ずかしい姿」

音楽って面白いんだけど、かっこいい姿だけを見せればかっこいいのかというとまったく違う。かっこいい姿だけをコンセプトに徹して見せる音楽ももちろんあるんだけど、どこかに綻びがあるものに、人は親近感を感じる。もっと言えば、さらけ出した瞬間のカタルシスはもう格別。ただし、生ぬるいさらけ出しは、また生ぬるいものにしかならないから難しい。

金曜日に、CQとクリトリック・リスのコラボシングルリリース記念のライブに行ってきました。CQはどちらかと言えばコンセプトがしっかりあって、美意識を忘れない、ゴシックやビジュアルと言われる流れを忘れないバンド。まあ実際には轟音で武装しつつも、酒をあおり、その揺らぎを見せたがる、間反対の感覚も併せ持つバンドなんですが、美意識が前に来てるのは間違いない。この日のライブでも前半は美しきCQ、音楽的にも腕の立つバンドなんで、構築美も見せてくれて。そしてその後は轟音タイム突入。ここから世界は揺らぎ、酒が大量に投入され、朦朧とした後半を迎えます。それでも美しさは常に携えるバンド。

そしてクリトリック・リス登場。スギムさん、パンイチで、しかも電飾がベルト状に巻かれ、股間には丸いテルミン。音もCQの轟音からしょぼい打ち込みへ。そしてハゲ。しかも46歳のおっさん。カッコいいところは何一つない。歌終わりとかグダグダだし(笑)そんな人が生活の一コマを面白く、少し哀しく、叫びつつ歌う。これが歌なのかは人によって分かれるし、ラップではないし、ただ喋りまくっているだけとも言えるけど、本当は違う。ちゃんと言葉がキャッチーにサビとして、コーラスとして用意されており、実は音楽的。言葉選びも絶妙。まあでも、その言葉のセンスとその姿で、最初は腹抱えて笑うんだけども。

それがいつしかなんというか泣けるような何かに聞こえてくる。それは自分もこのハゲたおっさんと地続きであることに気付いているから。この恥ずかしい姿は自分の姿でもあると気付くから。そしてそのセンチメンタルはCQとコラボした「1989」で結実する。本格的なCQサウンドを得て(ドラムはHYDEVAMPSでも叩くササブチ氏!!)、おっさんのエレジーはピカピカのミラーボールの下に現れる。輝かしかったあの頃を歌う曲は、今の自分とのコントラストを残虐に照らし、夢の終わりを告げる。でも、でも、その夢の終わりを叫ぶハゲのおっさんが、まだ夢を見ているパラドックス。夢が終わってからが勝負なんじゃ!そんな言葉さえ感じる、夢のない人、夢が叶わなかった人へのビターな応援歌。まあこんなグロテスクな応援歌はないですけどね。

あんなにどぎついものを見たはずなのに、何か爽快感が胸に残るのはなぜだろう?良くわからんが、あの恥ずかしい姿に何かがあるんだと思う。これも音楽の真実。裏側からやってきた真実。
僕も自分をさらけ出す、シンガーソングライターとしての久しぶりのライブが近づいています。7/29新宿ナビカフェ。セルピコの世古君とタイマンです。僕はパンイチでも電飾も股間テルミンもありませんが、スギムさんに負けないくらいのパッションでやりたいと思います!興味ある方はぜひぜひ遊びに来てください!誕生日を迎えて45歳になった、何も諦めないおじさんの歌を聴かせます!

■ライブ情報

<PAVEL>
9/16(金)高円寺HIGH
詳細未定

<ソロ>
7/29(金)
西新宿ナビカフェ
ブラタケシ#13
世古武志×エガワヒロシ
8/6(土)「ミュージックバル・東京」
場所:東京・高円寺イタリアン&パエリア・ポポラーレ
時間:open 14:00 / 14:30 start
料金:入場無料(投げ銭ライブ)、要Order
Main Live:
ミムラス内藤彰子trio(w/Gt.山中勇哉/Perc.立井幹也)
エガワヒロシ
Short Act:
mushimaR(岡山)
山内智博

エガワヒロシのチートロたこやき>
7/31(日)
詳細未定

チケット希望の方はegawahiroshi@nifty.comまで希望人数とお名前を連絡ください。