「El Camino,El Dorado」/THE BLACK COMET CLUB BAND


ZIGZOなどでも活躍する高野哲が率いるNilとTHE JUNEJULUAUGUSTが合体した6人バンドのメジャー進出となる2枚目。

このバンドはとても不思議なバンド。ジュンジュラのずっと雨みたいな湿り気もありながら、Nilのカラッとした乾いた世界も同時にそこにあり。とてもフェス映えするレニングラードカウボーイズ的なパーティー感もあるのに、内省的なニヒルな感じも強い。ツェッペリン的なビッグなロックを奏でながら、場末のライブハウスにもぴたりとはまる。なんというか、世界にもないが、日本にもない摩訶不思議なバンド。一番近く感じるのはアメリカのBLACK LIPSだけど、もっと音楽性の幅が広い。カテゴライズがとても難しい。

でもR&Rの快感原則には忠実で、結局R&Rの本質「悩みながら躍らせる」音楽からぶれてないのが良いよね。R&Rバンド以外の何物でもない。ドラムが2台というのは、躍らせる気が満々ということ。それにベースの勝さんクロマニヨンズだもんなぁ。そりゃR&Rそのものだわ。

アメリカでボンイエールやベイルートが売れたように、日本でもこんなどこの国の音楽かわからないものが売れて欲しいな。そうなれば面白いのに。久保田早紀さんの異邦人的な。ああいう音楽が飛び交うヒットチャートを希望します。それにボーカルの哲さん、最近ほとんどいないロックスターそのものだから、ちゃんと華あるしな。いいなぁ、華・・。