「Schmilco」/Wilco


いま世界で最も信頼できるバンド、ウィルコのニューアルバム。

今回のアルバムはとても静的なアルバム。アコギの音が前面に出て、ウィルコらしい、オーケストレーションとは別の方向の美しいアンサンブルを聞かせてくれます。オルタナカントリーの感性形のような気もします。
ウィルコの個性は、とても伝統的な楽器を使いながら、その質感の重ね方で新鮮さ、新しさを作るところ。これはソニックユース以降のノイズに敏感な人達には良く見る傾向ですが、それが全編でくまなく気が配られてる。小さなところにもしっかり美学と言うか、世界が出来ている。しかもそれがギターノイズに頼らなくてもできるのが素晴らしい。普通の楽器で普通ではない音楽を作るマジック。しかもメロディーは奇をてらわずにね。これはなかなか出来ることじゃない。そして勿論その上に乗るメロディーが美メロなんだからまったく。そりゃあ世界最高峰の音楽ですよ。完全脱帽。

音楽の正解、そんなものがあるなら、これなのかな?なんて思っています。