「Lover, Beloved: Songs From an Evening With Carson McCullers」/Suzanne Vega


僕の好きな女性アーティストの代表格、スザンヌヴェガの昨年出したアルバムをレビュー。

彼女自身が2011年にオフブローウェイで女性作家カースン・マッカラーズの生涯を演じており、その経験から生まれたアルバム。舞台に影響を受けたからか、少しクラシカルで、言わば音楽的な冒険は少ないアルバム。まあ元々はオーソドックスなサウンドに、歌詞で切込むタイプですからね。初期に近い感触があります。

この人のアルバムはいつも清らかな美しさがあります。でもそれは可憐な感じではなく、どこか芯のある、凛とした美しさ。まったく骨太な感じはないのだけど、絶対に折れない細い枝のような音楽。今回も静寂の中に一つだけ音を響かせたような、真っ白なキャンパスに小さく「LOVE」と書いてあるような、独特の世界が聴けます。

この間のライブの後、エガワさんのスザンヌヴェガのカバーが聴きたいと言われました。意外な話だったけど、ちょっと興味もあるような。ちょっと挑戦してみようかな。ちょっと嬉しかったし。