小説トレーニング#3


将来小説を書くために、小説的な文章を書くトレーニング。今日は餃子について。


台所から水と油が正面衝突を起こしたような、激しい音が聞こえてくる。ごま油やらニラ、ニンニクの匂いがリビングまで漂ってくる。僕は鼻をクンクンさせながら、大人しくサッカーを見ながらビールを飲む。いつも料理なんてしない彼女が今日は料理を作ってくれるらしい。しかも餃子。

僕は餃子には思い入れがある。小さな頃に全く野菜を食べない僕を見かねて、週に一度、餃子を作ってくれたのが母だった。その餃子にはキャベツやニラは勿論、人参や椎茸など、あらゆる野菜がみじん切りされて入っており、我が家では「ヒロシの栄養補給」と呼ばれていた。なので、僕は餃子には勝手に愛情を感じてしまうところがある。餃子を作ってくれる女の子のことは無条件で好きになって来た。まあ、それを世の中ではマザコンと呼ぶのだけど。

その話をしたからだろうか、急に彼女が餃子を作ると言いだしたのだ。彼女はいつも不機嫌だった。デート中、僕が何を食べたい?と聞けば「なんでもいい」と答え、店に入って食べている最中、必ず「こんなものは食べたくなかった」と呟くのが彼女だった。この間は夜中に急に叫びだし、僕がなんとかなだめると目を覚まし、夢の中で僕が酷いことをしたと、僕の頬を赤く腫れあがるくらい平手打ちした。それでいて子供のようなところもあり、いつもお風呂で体を洗ってる最中におしっこをするのも彼女の癖だった。そんな彼女が餃子を作っている。

餃子を作っている間は何故かご機嫌だった。大好きなプリンスを口ずさみながら、みじん切りを済ませ、皮に包む作業も1人でこなした。僕が「手伝うよ」と言っても「座ってサッカーでも見てて」と穏やかな声で返事した。その声はとても優し気で、まるで母親のようだった。そこにいるのが当たり前のような声。その声がしないだけで、心細くなってしまうような声。

もうすぐ餃子が焼きあがる頃だ。僕は醤油とラー油を混ぜた。酢は入れない。酢を入れると愛情が逃げていくと勝手に思っている。餃子を食べるのはいつ以来だろう。ビールをもう一本空けると、ベルカンプが華麗なシュートを決めた。テレビでは解説者が「うまいですねえ」と連呼していた。アーセナルニューキャッスルに勝ち、首位に浮上した。彼女の持って来た餃子の焼き加減はまずまずだった。



エガワヒロシライブ情報

<ソロ>

3月6日(月)喫茶スマイル
出演:金杉裕介 (無人島レコード)/エガワヒロシ/The VOUT
19:00オープン 19:30スタート

2017年4月9日(日)赤坂グラフティ
しみりえpresents「ウタノエン」
出演:イナダミホ/エガワヒロシ/シミズリエ
12:00開場/12:30開演
前売2000円/当日2500円
(ドリンク付きランチセット1400円別
(お昼のイベントになります。エガワヒロシの出番は13時過ぎになります。)

<PAVEL>

4/19(水)高円寺showboat
出演:アイラブユーベイビーズ/FF0000/PAVEL
and more…
開場 18:30/開演 19:00
前売¥2500/当日¥3000(税込・別途ドリンク代\600)

エガワヒロシのチートロたこやき>

2/25(土)3/26(日)4/30(日)
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高円寺HIGH 高円寺ampcafe同時開催

チケット希望の方は希望人数とお名前を連絡ください。