「その辺の問題」/中島らも、いしいしんじ


今日は音楽でも小説でもなく、対談集。中島らもさんといしいしんじさんの対談。

いしいさんの「ブランコ乗り」「麦踏みクーツェ」「トリツカレ男」の三冊を読んで完全にいしいしんじ文学のトリコになっていました。そしてどんな人か知りたくてブログを見に行くと、なんともあっさりとした文章で。そっけないくらいのイメージ。小説の文体と、このあっさりとしたイメージで、僕にとってのいしいさんは、清らかで、エコロジカルな、ホンワカで静かな人というイメージでした。そして本屋さんでこの本を見つけます。中島らもさんというと「バンドオブザナイト」で見られたアウトロー極まりない、ドラッギーとロックンロールと不条理の塊のような、とにかく危険な匂いしかしない人というイメージ。ドリーミーないしいさんの対談?と頭にはてなマークが乱立していました。でも気になって手に取り、そのまま購入。家に帰ってページをめくると…。

完全なる変態です!(笑)獣姦の話からドラッグの話、まあとにかくタブーからタブーへの綱渡りの連続、僕が考えてたいしいしんじさんはそこには一欠片もいませんでした。らもさんはイメージ通りですけど、いしいさんはらもさんを超えるアナーキーな人かもしれない…そんな風に思えるくらい強烈な人がそこにいました。

作品と人は別だと言います。ノイズの人が大人しかったり、爽やかなポップスを奏でる人が極悪だったりと、音楽の世界でもそういうのはありますけど、小説にもこんなギャップがあるとは…。小説家恐るべし。

これを読んだ後にもう一度いしいしんじ文学を読み返したらどう思うんだろう?あのドリーミーな世界を受け取られるだろうか?今はそんな怖いような楽しみなようかな、なんとも不思議な興味でいっぱいです。まだ「双子のプラネタリウム」読んでないのに。中島らもさんの「ガタラの豚」も読まなきゃ。