音楽の話になった時に、どんなの好きなの?って話題によくなります。その時に即答できる人がいいなぁーって良く思います。なんというか「軸」がある人。

僕がリスペクトするリスナーの人達もそう。僕をデビューさせたディレクターはそれこそ渋谷タワレコの上から下まで見て歩く人だけど、軸にあるのはソウル、ジャズ、映画音楽。あとはサイモン&ガーファンクル。勿論それ以外もたくさん聴いてるけどちゃんと真ん中がある。

不定期のレビューがいつも楽しいHONDALADYのマルちゃんは、古今東西ビート百間でありながら、大衆性とその真逆のエッジを見逃さない。いつもニューウェーブが根っこにあるコロンブスの卵を探してるところがある。

先輩シンガーソングライターの綿内克幸さんは、いつも渋い黒人音楽の流れを汲んだ音楽を掘り続けてるけれど、その範囲はとても広くて圧倒される。

数々のイベントを仕掛けるオーガナイザーの「団長」は、それこそ手当たり次第に音楽を食べまくってるけど、エレクトロとニューウェーブが真ん中にあるのがはっきりわかる。

この人達は僕から見たら本当に幅広く「何でも聴いてる」けれど、ちゃんと真ん中がある。趣味嗜好がちゃんと透けて見える。なのでこの人達が音楽について言及する時はその「角度」がわかるのでとても信用できる。

僕が苦手なのが「俺はなんでも聴くんだよね」って自分で言う人。その「何でも」って人によって全然違うし、正直そういうこと言う人の幅ってそんなに広くない。そういうこと言う人でアルゼンチン音響派からアラブ民謡、それから北欧音楽、メキシカンブルースまでみたいな、僕の基準で「何でも聴いてる」と思える人は会ったことない。その薄い「何でも」な人とは正直話が盛り上がらない。僕も人から何でも聴いてますねって言われる時あるけど、墓の中では思いっきり傾向があると思っている。偏ってる。そしてそれで良いと思ってる。

音楽は知識合戦じゃないから、その人の趣向が知れるのが楽しい。あれも知ってる、これも知ってるって話はもうたくさん。音楽をたくさん聴いて来て、さらにそう思うようになった。

僕の真ん中はアメリカインディー、ビートUK、あとニューウェーブ。これって僕の年代でとても普通。これに歌謡曲がしつこく入るのが個性なのかな?でもそんなに特別だとは思わない。音楽聴くのに特別感なんていらないと思ってるしね。音を楽しみたいからね。知識じゃないんだよ。音楽は。ただただ音楽を楽しみたい。音楽を作りながら、そんなことを考えているのです。