エガワヒロシのアイドル論


今回初めてホールで行われるアイドルイベントに参加した。というかアイドルイベント自体も前回作曲させて貰った「春はどこから来るのか?」のリリースイベントが初だったので、僕はNGT48以外のアイドルイベントは知らないことになる。あ、ドッツCQが一緒にやったのは見たか。あれは異端でロックバンド側だったし、アイドルに詳しくないことは間違いない。

でもいつのまにかアイドルに曲提供するようになり、普段からアイドルの曲も聞くようになって来た。そして気づいたことがある。僕の周りの音楽マニア達がこぞってアイドルに向かって行っている意味。

今回武道館でNGT48のステージを見せて貰った。そこにあるのは全力感。そしてそれぞれのキャラクター。さらには考え抜かれた楽曲だった、歌が上手い人ばかりなわけではない。怒られるかもしれないけど、チャーミングだけれど絶世の美女が揃っているわけではない。でも全力感とキャラクター、そしてその2つを受け止めるキャパシティーのある楽曲が渾然となってこちらへ届けられ、いや全力で投げつけられている。足りないものはあるが、それを全力感とチームワーク、楽曲の力でカバーしていく。

はて。そこで思った。これはどこかで見ていた世界。自分が慣れ親しんだ世界では? そう、これは元々ロックバンドの専売特許だった世界じゃないだろうか?
足りないテクニックをセンスと情熱で埋め合わせ、チームワークやそれぞれのキャラクターが染み出していく音楽。人間同士の絆がグルーヴを生んでいき、大前提としてある、そんな情熱を昇華する楽曲を前進させていく。これは昔ロックバンドがいつも見せてくれた世界じゃないか。

今のロックバンドはテクノロジーの進化もあって完成度は本当に高い。単純な楽器の技術レベルも本当に高い。全てが揃っているバンドが多い。まあそれを昇華する楽曲が出来ているかは色々あるけれど、完成度が高いのは間違いない。しかし、そこに整合感はあるが歪さはない。
しかし、今のアイドルの世界には歪さが必ず潜んでいる。無理がある。バランスが崩れている。でもそこを埋めるべくの全力感が半端ない。
荻野由佳さんの指す指先には迷いが無かった。本間日陽さんの笑顔には覚悟があった。中井りかさんの毒には引き受ける勇気があった。そんなメンバーの個性が重なってグルーヴしていく。感動するのはテンポや音の抜き差しのグルーヴだけじゃない。魂のグルーヴが人を焚きつける。

そしてそんな全力の人達に負けじと作曲家が腕を鳴らす。手練れの人達がこの世界に流れてきてる。コンペの熾烈さは半端無い。そこを勝ち抜かないとあの場所には行けない。そこを勝ち抜くぐらいでないと、あの全力のステージを見せる彼女達に釣り合う曲ではないんだろう。

イベント後、売れっ子ライターのとみぃさんこと西廣智一さんとサシ飲み。あの全力のステージに感化されたのか、5時間も音楽の話をしてしまった。音楽の話ばかりしてた。アイドルのライブが音楽の話を熱くさせる。今アイドルの世界で起きてることはそういうことなんだと思う。

これが僕が触れた世界で考えた「アイドル論」です。アイドルファンの人達とはシンクロしてるんだろうか?勘違いも甚だしい!とか言われたらとりあえず謝りますけど。ごめんちゃい。

いや、本当に楽しかった。僕の作曲した「泣きべそかくまで」のMVが初披露になったのも嬉しかった、これからもっと曲を採用されるように頑張らねば!その思いを強くした1日でした。はい。