引き算の音楽

 

 


最近の音楽、特に欧米のメインストリームの音楽は音数がとても少ない。ファレルなんかが主導して、そんな時代になっていったと思うんだけど、そもそもコードも音数も少ないヒップホップの流れなので、そりゃそうなりますよね、と思ったりする。

 


しかし、この全てを引き算して、必要なものだけ残したような音楽を最初に現代的に提示したのは、ヒップホップ出身ではないコーネリアスだと思ってます。極端にシンプルで、1つ1つの音を徹底的に磨く手法。それはヒップホップというよりミニマルテクノの流れにあり、その中で「禅」のような静かな世界観に欧米のミュージシャンは刺激を受けたんだろうなぁーと想像出来ます。

 


そしてこの傾向の音楽をやるのに重要なのは音そのもの。音像。キックがどんな波形で鳴っているか、その音をどこに配置するのか。ミリ単位の職人の技術が必要になります。なのでエンジニアリングはとても重要。アバウトなエンジニアでは許されない世界。欧米のヒットチャートの影には必ずスターエンジニアありです。

 


僕は作曲家、しかも流行歌を作る作曲家ですから、時代の流れには逆らえません。なので僕もこの感覚を身につけなきゃいけない。しかし、僕の本来の感覚はガラクタを全て投げ込んで、それを訳の分からんバランスで成り立たせて、それで曲を作るというもの。言わば無駄だらけ。無駄の集積場。なのでそこから引き算をするわけでですが、すると元がガラクタなので、それでは支えられない。なのでまた一から音を作ることになります。なかなかこの自分のアップデートは難航しております。

 


僕が音楽的に行き詰まった時、そんな時に助けてくれるのはいつも音楽。リスナーとして聴く音楽。音楽を聴きまくって、それが血肉になって、初めて新しい扉が開きます。これが楽器の練習の人もいるだろうし、ライブの人もいるかもしれない。音楽理論の勉強の人もいるかもしれない。それぞれやり方はある。でも、僕は音楽をバカみたいに聴くこと。それが私の生きる道。

 


でも音楽に悩んで、音楽で解決ってバカみたいだよね。でもそんなバカみたいなループが僕はとても好きです。そんな自分を音楽の神様は見てるんだと思うので、今日も音楽に向き合って過ごしております。まあ音楽バカってことですよ。でもバカじゃないと出来ませんよ、こんなもん。

 


たまに自分から音楽を取ったらどうなるんだろう?と思います。恐ろしくて想像も出来ない。