プレッシャーと成長

 

 

 

 

 音楽の実力を上げる為に必要な事がある。

 


 僕はメロディー作りと歌詞を評価されて来たから、これを強化すべくずっと努力して来た。沢山の曲を作り、インプットに励み、ずーっとメロディーと歌詞の事を考えて生きて来た。仕事しようが、喧嘩しようが、飯食おうが、頭から離れたことなんてこの30年間ない。

 


 でも音楽はただ作って終わりではない。音楽は伝えなくてはいけない。伝える為にはメロディーと歌詞だけでは伝わらない。人に聴かせる為のデモを作る知識やテクニック、歌や楽器の力、そしてそれを聴いてもらう為に人に会ったり、人を探したりするバイタリティー。そんなものが備わって初めて誰かに伝える事が出来る。

 

 

 

 僕はその努力が足りなかった。でも、興味があるのはメロディーと歌詞。勿論サウンドにも興味はあるけど、それを自分が鳴らす事には興味を持てなかった。

 

 

 

 じゃあ興味がないけど必要なものを磨くには?それはとても難しい。よっぽど意思が強い人以外には出来るものじゃないと思う。

 


 そこで必要になるのは追い込まれる事。やらなきゃいけない状況になれば、必死でやる。そして振り返るといつも、そんな状況が実力を上げる手助けをしてくれた。

 

 

 

 20代前半にニッポン放送のラジオ番組のジングル作りを任された事がある。経験は勿論、どうやるのかも何も知らないし、家にあるのは8トラックのカセットMTRと安物のギター、高校時代の友達がいらないからと置いていったベース、そしてKORGのM1の廉価版X3。そんな心許ない環境で作業した。

 


 最初に出したジングルはそれは酷い出来だった。担当のプロデューサーはそんなに悪くないよ、って言ってくれたけど、他のスタッフが陰口叩いてるのは聞こえてた。

 そして1週間後、再提出する事になった。その1週間、それはそれは必死に作業した。食うものも食わずに作業した。そしてなんとか提出。僕の作ったジングルは番組で流される事になった。あの時に何倍にも音楽の実力が上がったのを覚えてる。

 

 

 

 ちなみにその番組の司会はくりぃむしちゅーになる前の海砂利水魚さん。みんなが「有田は良いんだけど上田がなぁー」って言ってるのが耳に入った。今の上田さんを見たらそんな事信じられない。けど、上田さんもあの時に何かを得たのかもしれない。

 


 今、仕事でそんなプレッシャーを感じる状況にいる。本当に気が小さくて、すぐメンタルが弱るから、他の人からしたら大した状況じゃないんだろうけど、それでも自分的にはなんとか立ち続けてる。でも、これを過ぎたら実力が上がってるのは間違いない。

 

 

 

凄いミュージシャンはこれを繰り返してるんだよね。その違いなんだと思うな。実力って。逃げてたら一生手に入らない。