デヴィッドバーンの優しい音楽

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昨日は締め切りが目の前から消え去る隙間がやって来たので、今日は休み!と決めて髪を切ったり、映画を見たり、レコード漁ったりの黄金のような一日を過ごした。そんな日は映画の出来次第な所があるんだけど、昨日はこれ以上ないくらい最高だった。

 

 

 

僕はトーキングヘッズのデヴィッドバーンが大好きなんだけど、そんな彼がアルバム「アメリカンユートピア」のツアーをブロードウェイのショーにまでブラッシュアップして仕上げ、しかもその映像をスパイクリーが撮るという話題の映画。そんなもの見なかったら後悔を墓の中まで持ち込むことになる。そして実際に最高としか言いようのない映画で、大満足の一日になった。

 

 

 

しなやかで、タフで、真摯でありながらユーモアを忘れないデヴィッドバーンの音楽は、トーキングヘッズの頃から切れ味が鈍った事がない。いつもジャキジャキと刻むエレキの音と一緒で、バッサリと空間を切る。

この人の音楽の根底にはいつも市井の人々がいる。そんな人々の当たり前の感情を、古今東西にある音楽をかき混ぜて作った最高のリズムとメロディーに乗せ、そこに真摯なメッセージと共にユーモアを添える。手法はいつも変わらない。そしてバッサリと切り取られたその空間がイキイキと踊り始める醍醐味たるや!今回はバンドメンバーの人選や選曲からメッセージ性が強めではあるけど、デヴィッドバーンが出て来るだけでどこか「和む」感覚があるので、メッセージで胸焼けは起きない。この人いつだって良い塩梅を知ってる。

 

 

 

いつもそうだけど今回も特にリズムが秀逸。ステージ上に何もないセットで、全員がそこを踊って動きながら演奏する為、ドラムはいない。そのかわり6人のパーカッションがそれぞれのリズムを奏で、その塊がドラムよりも強力なリズムセクションとなって迫ってくる。トーキングドラムが特に最高!というかこのバンドみんな最高だよね。ベースもギターもキーボードも、そしてコーラスの2人!全てを包み込むような音楽。

 

 

 

デヴィッドバーンの音楽は誰も置いていかない。白人も黒人も黄色人種もない。男も女もその中間のどこかの人も置いていかない。センスの塊のような人だけど、センスのない人も置いていかない。センスがない人はいなくていいよって雰囲気が無い。そこが1番感動する。本当に優しい音楽。誰にでも開かれて、誰も拒絶しない音楽。

 

 

 

映画の後半、「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」辺りから涙が出てしょうがなかった。音楽の懐の深さ、優しさに感動して、感情が完全に昂ってた。

ライブの最後は「ロード・トゥ・ノーウェア」。僕がライブの時のオープニングSEに使い続けた音楽。僕はデヴィッドバーンではないから、デヴィッドバーンの音楽を目指す必要もその能力もないけれど、この優しさ、門戸の広さだけは引き継いでいきたい。憧れであり、目標として、ずっと見続けていたい。

 

 

 

最後の自転車のシーンも最高。自転車に乗り続け、「ブルーバイシクル」というセカンドシングルを持つ僕にはシンパシーしかない。自転車のスピードで進みたいよね。歩きじゃ遅すぎる。走ると息切れする。車じゃ早すぎる。自転車のスピードの音楽が良い。

 

 

 

いやしかし凄い69歳だ。感服です。これからもお元気で、たくさんの音楽を聴かせて下さい!最高でした!