膝にカサブタがある女

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この間、電車にて、目の前にとてもスラリとした美しい女性が座った。タイトで上品なピンクのワンピースを着て、とても小さなバッグを持っている。非の打ち所がないとはこの事かと思うような容姿。

 

 

 

でも、彼女の膝には大きなカサブタがあった。1円玉くらいの大きさ。そんなカサブタの存在感につられて足を見ていると、意外に膝が汚い。別に汚れてるとかそういう事じゃなく、膝がくすんでいる。そのくすんでいる膝を象徴するように、大きなカサブタが紫色を強調して鎮座している。何故あんな膝になったのだろう?肘を酷使する仕事なんだろうか?肘を酷使する仕事ってなんだ?気になってしょうがなくなった。

 

 

 

不思議なもので、ただ綺麗な人ならそこまで気にならない。綺麗だなーで終わり。でもほとんど完璧な中に一つのシミ、一つのヒビ、一つの歪みを見つけると、どこか気になってしょうがなくなる。この女性はそこまで計算して膝を汚してるのだろうか?いやそこまで思想が込められた膝には見えない。もっと自堕落な、もっと小市民な膝に見える。膝から何かがこぼれ落ちたような。そんな印象。そしてそのこぼれ落ちたものは、なんだかとても悲しく見えた。あんな綺麗な人からこぼれ落ちる悲しい何か。

でもきっと、人の魅力ってそういうこぼれ落ちたものの中にこそ表れるんだと思う。演出できない何か。演出を超えるからこその本来の魅力。

 

 

 

SNSって演出みたいな所あるから、やたらお洒落に見せたがったり、センス良い物言いに終始する人が沢山いて、最近なんかこそばゆい。バカになんてしてないし、嫌悪もしてないけど、なんか違和感がある。勿論自分もそこに含まれるんだろうけど、それもあって、自分はどうにかリアルに近い自分でいたいと思ってる。昔から演出を過剰に嫌う自分がいる。これもなんか思想的な何かなんだろうか?逃れられない性なのか。この演出を嫌う感情は自分のスタンダードだなと強く感じる。自分の真ん中にその感情はある。

 

 

 

カサブタ。あるものはしょうがないじゃん?なので僕もカサブタは隠さないでいようと思ってます。隠されたカサブタは一番恥ずかしい。そんな気持ちを持って、今日も僕は自分を晒してます。はい。