安蒜リコという男

 

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この数日かけて、録画してあったサスケを見た。我が家はサスケ好き一家。昔はヤンキー的な感覚が蔓延してたあの番組も、今や活躍するメンバーのヤンキー濃度は大きく減った。昔はそのヤンキー感覚が理解できなかったし、毛嫌いしていたけれど、今は何となく楽しそうだし良いなと思ってる。そして今のサスケのヤンキー分布図はとてもちょうど良い。


実はミュージシャンもヤンキー系と文化系に分かれる事が多い。勿論ミュージシャンなんだから、みんな文化系ではあるんだけど、根本にヤンキー入ってるかどうかで、人の印象は変わる。


安蒜リコという男は、しっかりヤンキー的な感覚も持っていて、先輩を立てるとか、仲間を大事にするとか、良いヤンキー成分を凝縮したような人。それでも文化系の香りもプンプン漂わせ、どっち側のミュージシャンからも信頼は半端ない。俺が知る限り周りで1番良い男。外見も中身も。サスケで言えばキタガワ電気店長みたいな感じ。笑


そんなリコ君が40歳のバースデーイベント。そりゃ先輩達も駆けつける。メンバーだったクライフは勿論、DJにはレピッシュMAGUMIさんも。そしてメンバーとして在籍し、活躍したバンドも大集合。ハニーデュー、クライフ、そして現在のバンドのマドラスと楽しすぎるライブの流れ。


ライブ前に居酒屋で飲んだホッピーの中の量がとんでもなかったので、もう初めからアルコールハイ。入ったら爆音のDJ。あれウメちゃん選曲だったのね。いないなぁーと思ってたら。


そしてトップはハニーデュー。ケイゴ君の左手見てるだけで、コードワークに凝ってるのがわかる。オルタナティブでジャンクな音を鳴らすけど、メロディーはポップだし上品。途中リコ君もギターで参加。盛り上がる。


次はクライフ。さんちゃんのギターアンプが変わってた。良い感じ。リコ君のイベントだったので、今までのドラマーを思い浮かべた。宮川さんはちょっと特別だけど、四つ打ちのミッキー、つんのめった8ビートのタツさん、マンチェビートのタカ君とそれぞれに色がある。でもリコ君がドラムの時代は、どれも美味い配合で入ってたように思う。ヤンキーも文化系を絶妙なバランスで成り立たせるリコ君ならではなのかもしれない。


そしてマドラス。入り口が混んでたので、みんなを誘導するためにフロアの真ん中に移動。そのままずっとど真ん中で踊って聴いてた。楽しかった!

リコ君はドラムからギターに移ったので、色んな所が見えてて、プロデューサーに近いんだろうなと思った。自分が主役のこの日でも、バランスは崩さない。今日もマドラスはパーフェクトなポップとしても機能する、ご機嫌なロックンロールを奏でてくれた。


そしてアンコール。リコ君がドラムに座る。リコ君は元々ドラマーだ。でも思う通りに足が動かない病の為に、ドラムは今やっていない。そのリコ君がドラムに座る。そしてMAGUMIさんを迎えてレピッシュを一曲、次に橋本さんとユウスケ君の先輩2人を迎えてROSSOの「シャロン」を演奏した。自分の耳には何もわからないけれど、本人的には思う通りに足は動いてないらしい。でも、バースデーイベントでドラムを叩いた。


リコ君がドラムに座ってからは良く覚えてない。その姿を見て号泣して、嗚咽を漏らしながら、一緒にいた名物ブッキングの団長の肩を借りて泣いた。何が自分の心に触れたのかわからないけれど、もうワンワン泣いた。涙が止まらなかった。


湿っぽさなんて一つもない、本当に楽しいイベントだった。でも自分の目は涙で充血してた。自分は本当にリコ君のドラムが好きなんだなと思った。リコ君という人間も勿論大好きだけど、あのドラムが何より好きなんだなと。そんな事を突きつけられた。そんな夜でした。


おかげで帰りは電車乗り過ごし、歩いて帰りましたよ。ちょっと飲み過ぎたな。楽しくて。そしてちょっと切なくて。