エガワヒロシ的2024年ベストアルバム(アメリカ)

 

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今年も恒例のベストアルバム。写真の関係でベスト9です。また今年も地域別。アメリカ、イギリス、日本、ヨーロッパ&カナダ、その他地域の五回に分けます。順番は緩やかに個人的な順位。


Lemon twigs「a dream is all we know」

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こんな時代に何聴いたらこんな音楽作るんだ?と毎回疑問に思う、まだ若いのに60年代〜70年代ポップマニアの変態兄弟。しかしこれが唸るぐらいの出来。今までも良かったけど、今回はポップさが突き抜けてる。これ嫌いな人とは多分友達になれない。


Billie eilish「hit me hard and soft」

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一発屋でも、お飾りでもなかった、歌とパフォーマンスが天才の妹と、歌心満載のソングライターの兄による、天才血縁コラボレーション。ビリー・アイリッシュは完全に本物でした。「BIRDS OF A FETHER」は今年屈指の名曲。これだけでも良いアルバム。


Kamasi washington「fearless movement」

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傑作「The EPIC」に並ぶようなジャズでファンクでスペイシーな心踊るアルバム。複雑なはずの音楽がスッと胸に入って踊らせてくれるカマシマジック。ジャズ門外漢を引き寄せる引力の秘密がわからないまま、ただ貪るように聴いてます。


Soccer mummy「evergreen」

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前からアコースティックの響きを活かしたポップなインディーギターミュージックを聴かせていたけれど、ここに来て覚醒した感がある。キリッとした感触が強くなりながら、耳馴染みも良くなった。雑味が無いというべきか。とにかく一皮剥けて、スケール感もアップ。


John cale「poptical lllusion」

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あのヴェルベットアンダーグラウンドジョン・ケイルが、今の時代に古く感じない、しかもポップなアルバムを作るなんて。意外性以外の何ものでも無い。これがノイズミュージックとか、難解な作品ならわかる。でもこれが単純明快なポップソング。完全にやられた。


FINNEAS「for cryin' out loud!」

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ビリー・アイリッシュの兄が、妹不在でも天才性を発揮した一枚。耳にスッと入ってくる歌は勿論、すべての楽器に歌心がある。この音世界には、ビリー・アイリッシュのような刺激的なサウンドスケープは必要ない。兄の才能が、妹のバックでのサウンド作りやメロディー作りに収まるものでは無く、王道を歩むべき人である事を証明した一枚。


Conan gray「found heaven」

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80年代音楽に出会ったアジア系アメリカ人が辿り着いた、狂い咲くようにグラマラスなシンセポップ。あの時代の音が好きな人は必ず振り返ると思う。しかもサウンドの物真似だけになってる人が多い中で、しっかりメロディーが書けてる。ちゃんと「良い音楽」になってるのが他のセンス良いでしょ?80'sマニアと違う所。胸焼けする感じも80's。


Waxahatchee「tigers blood」

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シンガーソングライターの音楽に真正面から取り組んで、見事に成功してる良盤。伝統的だし、カントリーが下敷きにありながら古くならないのは、音の強度がしっかりある事と、歌声の普遍性だと思う。ヒリヒリした感触がどこかにある声が秀逸。聴き流せない声。


Bleachers 「bleachers」

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今のアメリカで1番信頼できるプロデューサーのジャック・アントノフのソロプロジェクト。今回のアルバムが奇跡的とか、歴史的名盤とかは思わないけれど、良質なアメリカンロックをしっかり作り続けてて好感が持てる。「モダンガール」一曲だけでも満足かな。


最後まで迷ったのはアンドリュー・バードとマディソン・カニンガムの共演盤、ブリタニー・ハワード、Jマスシス、ジンジャールート、ファーザー・ジョン・ミスティ、ライブも良かったジェシー・ハリス、ルイス・コール、クレイロ、ドリーマーボーイ、アニ・ディフランコ、ブライトアイズ、そしてレオン・ブリッジス。この辺りはベストに入れても間違いないやつ。音楽好きの方は音楽ライフの参考にして下さい。

 

今年のアメリカは大傑作!とは思わないけど、ベストには入れたいくらいの名盤が凄い多かった。選ぶのムズ過ぎる。


明日はイギリス編です。