今、作詞の研究で、佐野元春さんがEテレでやってた「ソングライター」という番組の本を読んでいる。沢山のソングライターが出て来て、自分の曲作りについて語る本。インタビュアーが佐野元春さんなので、質問が腑に落ちるし、鋭い。その上、佐野さんのソングライティングについても聞けるので、一石二鳥のとても勉強になるインタビュー本。
世の中のソングライティングは、メロディ先行が多いのは確か。作家仕事だと尚更メロディ先行がほとんど。でもこれがシンガーソングライターとなるとまた話が変わって来て、キーとなる言葉はメロディと同時に浮かぶと語る人が多かった。これは自分にも覚えがある。でもそれって大当たりというか、絶好調というか、ホームランの時だけ。それが毎回だったら羨ましいなと思った。
あとサニーデイの曽我部恵一さんがほとんど詩先というのはびっくりした。他にはaikoとマッキーくらいしか知らない。でも自分を定義すると、詩人に近いと話していて、それなら納得だなと思った。結局詩に合わせてメロディをいじるか、メロディに合わせて詩をいじるかの違いで、どっちが主従関係の主に当たるのかだと思う。自分はメロディメイカーだと思ってるから、いじるなら詩。でも詞先もやってみようかなぁ?なんて興味も出て来た。
あと面白いのはキリンジ。メロディに合わせて、何となくのピッタリ来る言葉を当てて行くんだそう。最初は散漫に、徒然なるままに当てて、しかも虫食い状態で構わないとか。そこからカチッとハマる時が来て、そうすると何を書いてるかが自分でもわかって、完成に向かう。そんな無意識の作詞でも、自分の考えみたいなものは見えてくるそうで、人の頭の中って面白いなと思った。
あと佐野さんは、言葉にはそれにピッタリハマるメロディがあるし、メロディにはそれにピッタリハマる言葉があるんだと言っていた。それを引っ張り出すのがソングライターの仕事。そこで妥協は出来ない。全てにおいてそういう事だなと最近は思います。
ページを捲るたびに襟を正す感じで、なかなか読み進められない。でもとても勉強になってるのは間違いない。人生は何歳になっても勉強ですな。はい。