ベストアルバム2019〜その2〜

 

 

 

 

 

今回紹介するのはサウンドを追求する人達。前回はオーソドックスなバンドサウンドが逆に今の時代は貴重でって話でしたが、そんなバンドサウンドをさらにバージョンアップすべく奮闘する人達をまず4組。

 

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「jaime」/ brittany howard

 

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「ode to joy」/ wilco

 

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「violet street」/ local natives

 

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「it's so nice!」/ noel wells

 


britany howardはそんな流れの急先鋒。10年代最高のアルバムを作ったアラバマシェイクスのボーカリストですから期待するのは当たり前ですけど、期待を裏切りません!オーソドックスなブルース流れのロックなんだけど、音像がストレンジ。これぞ現代のアメリカインディー。アラバマシェイクスと比べるとソロなので、バンド感が薄く、そこは好みかなぁ。僕はバンドなのにこんな音?っていうのが好きです。

 


そんな流れを作った張本人とも言えるwilcoは今回も充実の作品。地味目な傑作。玄人受けって感じかな。ナショナルとかも良かったし、アメリカインディーは充実の時期を迎えてますね。

 


そしてlocal nativesはそんな中でレディオヘッド流れの音を聞かせる。バンドでありながらサウンドも凝ってて好きですね。もうアメリカとかイギリスとかの分け方は意味を為さない感じだよね。イギリス感のあるロックバンドはだいたいアメリカにいます。イギリスにはほとんどバンドがいない。苦笑

 


そして今年は女性のソロシンガーの作品が充実しまくりで、その中で一番気に入ったのがnoel wells。どこの人かも全く知らんけど。

オーソドックスなギターやらの伴奏で作られるシンガーソングライターアルバムなんだけど、サウンドが必ず幻想的でサイケデリック。曲も良いし、声も良し。でもこの形のアーティストは本当に多いので、ここから抜き出るのは大変かも。

 


そして現代の王道となるベッドルームミュージックを聴かせた新星と、その流れを理解した達者なベテランが次の三枚。

 

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「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」/ billie eilish

 

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「hyperspace」/ beck

 

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「cherish」/ KIRINJI

 


2019年の顔とも言えるbilly eilishは面白かったね。音の選択とフレーズの面白さ、そして声と言葉。世界中に広がっているベッドルームミュージックで頭角を表すには、この4つの要素なんだなと思った。特に耳に残るフレーズ。あ、あとキャラクターか。スター性。この人は持ってたね。

 


そして賛否両論あるのがbeck。前回のアルバムでも振り切ってたポップ寄りの音を更に振り切って来た。それをあんたがやらなくてもって人と、そこでアクセル踏み込むのがbeck!って人に分かれてるのかな。僕は後者。ブルース感がないのはやっぱり寂しいけど、80年代育ちには抗えない魅力。

 


そして一番ビックリしたのがKIRINJI。もう評価も固まってるし、安心のサウンドを持ってるのに、ダンスミュージックに張り切った作品を作り上げて来た勇気と冒険心に拍手。しかもこれがオリジナルでかっこいい!スタジオマジックを知り尽くした人が作るベッドルームミュージック。これは現在のポップミュージックの理想かもしれない。