ベストアルバム2019〜その3〜

 

 

いよいよベストアルバムも最終回。今まではミュージックシーンの流れみたいなものを意識しましたが、今回は個人的な事を。まずはこの3枚。

 

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「Ancestral Recall」/ christian scott atunde adjuah

 

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「love hurts」/ julian lage

 

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「cuz i love you」/ lizzo

 

 

僕は80年代ど真ん中世代で、ニューロマンティックに始まり、パンク、ニューウェーブ、マッドチェスター、ブリットポップオルタナ等、完全に「白い」世界を歩いて来ました。黒人音楽に影響を受けたイギリス人が好きっていうのはあっても、ブラックミュージックから微妙な距離を取って来て。憧れは強かったけどね。

それが少しずつ好きな黒人音楽が増えていきます。最初はロックに近いスライとかPファンク、プリンスに始まり、段々とマーヴィンゲイとかアルグリーンとか聴くようになり。

それでも決して踏み込まなかった音楽がありました。それはジャズ。どう聴いて良いか分からないのもあったけど、コードとかに疎い僕にはとにかく難しい音楽に思えて。

でもそこに現れたカマシワシントン。ハマった。まさにハマった。そこで僕の音楽にパラダイムシフトが起きます。ジャズって何ぞや?と俄然興味が出て。それでも聴けば聴くほどわからない。だって現代のジャズと語られる音楽は、僕にはKID A以降のレディオヘッドと同じ土俵の音楽にしか聴こえなくて。これはジャズで良いのかな?と思いながら聴く日々。

 


そんな中で今年好きになったジャズが2枚。christian scott とjulian lage。どっちもどういう人か全く知りません。前者はトランペット、後者はギターなのかな。どちらもジャズ門外漢の自分でも興奮するスリリングな音楽でした。ジャズ好きな人がどう思うかはわかりませんが。

 


そして黒人音楽で今年好きになったのが豊満ソウルのlizzoさん。さん付けで呼びたい。まあこれはプリンス臭に反応しただけかな。

他にもラファエルサディークとかo'jaysも良かったかな。あとソランジェ。あれはブラックミュージックというよりベッドルームミュージックだけどね。自分としては。

 


そして最後に紹介するのは、世の流れとか無視!な我が道を行く人達。この4枚。

 

 

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「見っけ」/ スピッツ

 

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wallop」/ !!!

 

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weezer(teal album)/ weezer

 

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「why hasn't everything already disappeared」/ deerhunter

 

 

 

スピッツは今年聴きまくりました。たおがスピッツマニアになったのでね。いやしかし聴けば聴くほど良いバンドですよ。マサムネ君のメロディーと歌詞、そして歌声にどうしても評価が行きがちですが、本当にバンドのアレンジが素晴らしい!間奏とかほとんど独立したコード進行なんだよねえ。フレーズの絡み、音の選択、スピッツでしかあり得ないグルーヴ、バンドの凄さを再確認。尊敬。

 


そして!!!はとにかく暴力的なまでに踊れる音楽。強靭なグルーヴとはまさにこの事。LCDサウンドシステムより好きかも。今回のアルバムなら。

 


またウィーザーは気恥ずかしいくらい大味な選曲を(TOTO!TFF!a-ha!)ひねりのないアレンジでカバーしたアルバム。でもこの曲群をウィーザーサウンドでやられたら気持ちよくなるのはしょうがないかなぁ。抗えない恥ずかしさ。本当良く聴いた。

 


そしてdeerhunterは時流のことなぞ何も気にせず、60年代マナーの不思議なサイケデリックミュージックを80年代の音を参照しながら仕上げた孤高のアルバム。この人達の食えなさは本物。最近のルックスとか凄くなってるしなぁ。正直この感じはフレーミングリップスに期待してたもので、これをやってくれないフレーミングが歯痒くてしょうがない。もう薬やりすぎだよ。あれは。ってこの人もそこは一緒か。笑

 


とこんな感じで選んだ2019年の20枚。他にも沢山良い音楽があったけどねえ。もう聴ききれない。これ以上音楽はいらないのかな?って不安になるくらい。でもそれでも新しい音楽を求めてる自分がいます。やっぱり名作は好きだけど、今生まれて来た音楽には違う魅力がある。時代の空気を沢山吸った、時代と共振するような音楽。そんな音楽を今年も探し続けたい。僕も作る人ですけど、根っこはハードコアなリスナー。そこは変わらずにいたいなと思う年初めであります。

 


今年も皆さん音楽を愉しみましょう!みんなが聞いてる音楽参考にしてますので!