改めて、今家に帰って来て、子供が出来たことについて、自分の中で考えを巡らせています。「おしるし」があったのが木曜日の夜。金曜日の夜は15分おきの陣痛でほとんど眠れず、土曜日は朝から嫁の世話をずっとしていて、結局土曜の深夜に病院へ。ドタバタコメディーのように家を出たので、その残骸がまだ家の中に残っています。あれは焦ったなぁ。
しかし実際に病院に行くと冷静な僕がいました。ずっと嫁の手を握り、一緒に呼吸を繰り返す。出産は嫁のものではなく夫婦のもの。嫁がありえない叫び声をあげても、僕が動揺してはしょうがない。冷静に顔を嫁の目の前に突き出して一緒に呼吸をさせる。家にいる時は苦しそうな嫁を見て泣き出しそうだった頼りない僕は、もっと苦しそうな嫁を見てるのに、ただ励ますことに集中していました。
実は出産に入る前に、病院の先生に、もしかすると三つ口(所謂口に生まれつき裂傷のようなものが出来ていること)の可能性があることを指摘されました。もちろん機能に問題があるわけではないし、見た目だけの問題。友達にだっていたし、そんなことは気にしないのだけど、それを言われた時に、もし娘がそのことで泣いたりした時は、僕が守らなきゃいけないんだと、実感したんです。腹をくくったのです。娘を守るのは僕なんだと。
出産は結局無事済み、娘も何の障害もなく、三つ口でもなく生まれて来ました。出てくる瞬間、僕は静かに泣いてました。でも、僕は子供が生まれることの感動よりも、嫁がこんなに頑張ってることへの感謝で泣いてました。嫁の頭をなでながら、ずっと感謝の気持ちでいっぱいでした。子供の泣き声を聞いて、はじめて子供のことを思い出したくらい。終わった時はとにかく終わったことへの安堵感。そればかりでした。
娘の「たお」(読みは決まってますが漢字はまだ決まってません)はとても元気で、それでいて穏やかで、なんとも頼もしい娘でした。その泣き声は本当に美しくて、どの赤ちゃんよりも澄んで聴こえます。きっとそれは親バカですけど。
宝物の嫁から、宝物の娘が生まれました。僕はこれから宝物に見合う宝箱を作らなくちゃいけません。でも大丈夫。僕一人で作るんじゃないんです。3人で作るんです。僕らはいつだって3人組なんだから。
2010年2月14日6時43分、2628グラム、48センチの少し小さな女の子、えがわたおは生まれました。世界一仲の良い夫婦の家に生まれた世界一幸せな子供です。これから光溢れる未来に向けて歩き出します。みんなこれからずっとよろしくね。
僕は病院を出て駅に向かう間、なぜか涙が止まりませんでした。何で泣いているのかまったくわかりません。でも世界がこんなにキレイなことにはじめて気付いた気がします。僕と嫁の二人の世界だけじゃなく、世界中がキレイなんじゃないだろうか?そんな風に思って歩いてました。
僕は世界中に感謝していました。宝物のいるこのキレイな世界に。
みんなどうもありがとう!!そしてご心配おかけしました!!