自分の物語は、自分で語る

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ジョン・レノンに関するドキュメンタリー映画「失われた週末」を見た。ジョンの個人アシスタントであり、一時期恋人だったメイ・パンさんの物語。


1番印象的な言葉が「私の物語は、私が語る」という言葉。おそらく自分自身が表現者なわけでは無く、表舞台に立たないメイさんには、口をつぐむしかなかった場面も沢山あったんだろう。今回自分で語ったジョンとの物語は、とてもロマンティックで、特にジョンの前妻のシンシアとの友情の話、その息子のジュリアンとの絆の話には胸を打たれた。これに多分嘘は無いんだろうし、本当の話なんだと思う。


でも、この映画では魔女の様に描かれているヨーコにしたって、自分の物語があるはずだ。ヨーコの物語だけが、今まで100%の純度で語られて来たわけじゃ無いだろう。ヨーコにだって伝えられてない自分の真実はあると思う。だから、これを見て反射的にヨーコ最低!とか言うのは違うと思う。なんかそういう単純な人が最近多いからね。そこは強く言いたい。別にヨーコの遠い親戚だから言ってるわけじゃ無いよ(苦笑)


1番良かったのは、ジョンの最初の息子、ジュリアンの話。何となくヨーコとの子のショーンは愛情をたっぷり受けて、ジュリアンは愛情をほとんど受けてなかったみたいなイメージがあった。でもこの映像で出てくる小さな頃のジュリアンは本当に幸せそうだし、インタビューに答えるジュリアンも、愛情が足りなかった人特有の寂しげな表情はしてない。それが何だかホッとしたし、凄く嬉しかった。それだけでもメイさんの存在を肯定出来る。


この映画を見ると、あのままジョンがメイさんといたら、ビートルズがまた見れたかも…みたいな事も思っちゃうけど、過ぎ去った過去の話だからね。それは各自が思う妄想の話で、真実とは全く関係ない話。妄想で誰かを責めてもね。過去は過去。自分の過去はそれぞれが美しく飾れば良いと思う。それはあなたの物語だから。