聞く耳

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アーティストたるもの、自分の美意識や表現への自信が必要で、人に流されてはいけない。自分の意思をはっきり持たなければいけない。


でも1人の人間としては、常に自分の正しさには疑問の余地を持ち、人の意見にも耳を傾けるべきだと思ってる。大抵の凄惨な争いや諍いは「正しさ」が生むと思っているから。


この二つが自分の考え方。思想。アーティストとしての自分には覚悟が足りないと思うし、肝を据えないといけないと思ってる。でもその足りない理由はただ自信が足りない事もあるけれど、人間としての自分の思想がはみ出していることも影響している。自分が正しいと思い込む事が怖い。


ちょうど日本怪奇ルポルタージュという番組で、あさま山荘事件日本赤軍の事をやっていた。あれを取り上げて、左翼は本当に酷いんですよ!と言うつもりはない。あれは本当に酷いけれども、どっちでも振り切った考えに取り憑かれたらあんなことが待っていると思っている。逆側だって行きすぎたら同じようなもんだ。人の話を聞く耳を持つ事。それが耳に痛い意見だとしても。


前述の通り、ミュージシャン、アーティストというのは自分の正しさに振り切って考える事が常態化している。そうしないと飲み込まれてしまうのが表現の世界。だからなのか、都知事選みたいなものが始まると、途端に振り切った方に引き寄せられ、正しさを声高に叫ぶ人が多くなる。そしてとても攻撃的に誰かを攻撃するようになる。でもさ、私利私欲だけで政治家になる人なんていないと思うよ。あんな面倒なもの。しかも本当に私利私欲だけなら、当選するほど人を巻き込むことなんて出来ないはず。だからその人なりの正義があって、その為に政治の世界に飛び込んだんだと思う。その正義が自分の考えとは違うだけで。そう考えた方が良いと自分は思ってます。勿論「緩み」みたいなものはあるとは思うけど。


選挙で自分と同じ意見の人なんていない。帯に短し襷に長し。それが当たり前。その中で1番自分に近い人を選ぶでも良いし、自分の考えに近い方向に行くにはこの人に入れて、あの人は落とした方が良いとかでも良い。それが大人ってもんだ。それぞれが自分の考える正義の為に、粛々と投票行動する。それだけ。あんまり誰かを攻撃してもね。


まあ掲示板ジャックする事に対して、それぞれの考えがある、とは流石に思えないけどねえ。あれは下品で嫌だなぁ。