教授の個展の感想追加

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教授の個展の感想、まだ言いたい事あった。

 

教授は音大で音楽を学び、勿論理論やら知識もテクニックもあり、現代音楽や民族音楽にも精通してたわけだけど、残したメモに常套句への愛みたいなものも書いてあって、それが面白かった。それは音楽で言えばロックンロールの事だと思うんだけど、決まりきったフレーズや、お約束で出来ている音楽。それを切り捨てないのが教授たる所以で、昔読んだロッキンオンでの(かなり若い頃の)インタビューでも、RCの良さと、名前は忘れたけどクラシックの作曲家の良さを、両方ともしっかり理解できてるのは自分以外に居ないと言ってた。言い切ってた。その自信も凄いけど、その価値は凄くわかる。

 


あと今回個展で鳴り響く音を聴いていて、音の消失点への拘りが凄いなぁーと唸った。ミュージシャンなら当たり前の話なんだけど、ベースなどの音の切り際は勿論、リバーブの消えるポイントとかはとても重要な要素。音が鳴る瞬間ももちろん大事なんだけど、それが消える瞬間がいつ、どのように消えるかが大事で、その次に鳴る音の立ち上がりとの関係でグルーヴや、立体感を形作る事になる。それを大事にしてる人が良い音楽を作れるというのは大前提。ただその追い込み方が凄いなと感じた。自分はそれはもうエンジニアにやってもらおうと思って生きて来たけれど、途中からそうもいかない時代だという事に気が付き…。でもエンジニアの感覚は全然ダメ。自分の弱点。まああまりアーティストミックスとか好きじゃなかったからなぁ。過去は過去で、しゃーないんだけど。

 


いやしかし、一つの個展でこんなに色んな事を考えさせるってのは凄いなと単純に思う。今日はベースラインの事ばかり考えてたから、音の切り際ばかり聴いてて、そんな事を思い出したのでした。また明日も何か思い出すのかなぁ。凄い影響力だ。