00年代ベストディスク!!

いろんな雑誌で00年代ベストディスクとかやってますが、本当に自分の感覚と合うセレクションには出会ってないので、自分なりに00年代音楽を総括。といっても新しく何か書くのは面倒なので、毎週書いてるレビューをピックアップ(日付はレビューを書いた日)。まあ自分用メモみたいなもんかな。良い音楽を知りたい人は参考にしてくださいな。長ーいから暇なときに少しずつ読んでね。だって10年間のベストなんて、どんなに頑張っても30枚までしか絞れなかったから。

潤・

2006/10/29
「FRIENDLY FIRE」/SEAN LENNON
ジョン・レノンオノ・ヨーコの息子という冠もそろそろ取ってあげたい、ショーン・レノンの新作。傑作のストレンジポップだった前作がもう8年前!!早いなぁ。この作品は前作とは打って変わって、正統派のアレンジで、正統派の泣きのメロディーを奏でる。韓国ドラマの主題歌並みにオセンチな瞬間も。でもこの地味なんだけど、丹念に作られた作品が染みるんだなぁ。エリオット・スミス亡き後、センシティブ・ポップのバトンは僕が受け継ぐんだ!!みたいな気概を感じました。そしてこのアルバムには全曲に映像をつけた映画のようなDVDが付いてるんですが、これが金かかりまくり!!豪華!!ベックの新作も映像付いてましたが、あっちはビデオクリップ集。こっちは映画そのもの。しかしショーンは大人になった。時が過ぎるのは早いなぁ

潤・

2008/1/26
「LIFE ON OTHER PLANETS」/SUPERGRASS
今や中古盤屋のワゴンコーナーで良く見かかる率潤・ムーブメント、ブリットポップの代表的バンド、スーパーグラスの4枚目。僕はこのバンド最初はそんなに好きじゃなくて。1枚目は微妙、2枚目かっこいい、3枚目最高、4枚目名盤決定!!というのが僕の評価(でも5枚目はまあまあだった・・・)。とにかくこの4枚目が僕は大好きなんだな。バンドのアルバム好きな10枚に入りますよ。オーソドックスなロックバンドでありながら、どこかスペーシーというか、テクノミュージックの宇宙みたいなのを感じるんだよね。特にこのアルバムはプロデューサーがトニー・ホッファといってエールなんかを手がけた人。だからアナログっぽいシンセがいい味出してる。僕もやりたい音楽はバンドっぽいんだけど変なシンセだったり、バンドで出さない音が入ってる音楽なので、この音楽はものすごい近い。「ALRIGHT」のイメージしかない人はこのアルバム聴いて欲しい。本当にかっこいいんだから!!

潤・

2008/11/23
「EVERYTHING THAT HAPPENS WILL HAPPEN TODAY」/DAVID BYRNEBRIAN ENO
昨日買って来たこのアルバムがあまりにも良くて!!トーキングヘッズの奇才デヴィッド・バーンロキシーミュージックの昆虫ファッションと幾多の優秀なプロデュース仕事で有名なブライアン・イーノが組んだアルバム。この2人で組んだのは2枚目かな。アコースティックギターの響きにゴスペルっぽい曲、そして自然なエレクトロニクス。そんな要素がごちゃまぜのスープのように絡み合って、独特の風合いが生まれてる。二人とも民族音楽、というか非西洋の音楽をポップミュージックに混ぜるのが得意なので、今回もこのアルバムを聞くだけで世界の広さを感じられるよね。なんか新しいのにノスタルジック。ポストモダンなんて言葉を思い出す。ベックなんかもこの人達の系譜に入るんじゃないかなぁ。古いものも新しいものも同時に手に入れて編集して新しくも古くもない独特のものを作り出す。今聴きたいのはこういう音楽だよなぁ。大人になったらこういう音楽が作りたい。もう大人だけど。

潤・

2008/7/27
「LOVE ALBUM」/SUNNY DAY SERVICE
僕が今まで好きになった日本のアーティストの中ではダントツの1位かな。今度再結成するということでそのお祝い!!ラストアルバムを紹介。元々はフォーキーで70年代を感じさせるバンドとしてデビューしたわけだけど(まあ本当の最初はフリッパーズもどきだったね・・)、その後は同時代の音楽も貪欲に取り込み、特にこの時はハウスに傾倒。ロマンティックで、フォーキーな手触りのメロディーでありながら、引き締まったビートで流れていく。この感じはものすごく影響受けたなぁ。でもいつもこのバンドを浮き上がらせるのはシルクのような曽我部さんの声。この声がある上に極上のメロディーとオリジナルのサウンド、そして時代性を求め続けたこと、それがこのバンドの一番すごいところだよね。声が素晴らしい人はそれに甘えちゃうんだよ。声に負けないサウンドを手に入れた。プライマルな「パレード」はマンチェ世代は必聴!!

潤・

2006/03/11
「ONE NIL」/NIEL FINN
僕の世界で一番好きなシンガーソングライター。元クラウデッド・ハウス。暖かいメロディなんだけど、凛としてて、ナルシスティックになり過ぎない。ニュージーランド出身だからなのか、アメリカともイギリスとも違う、日本人の僕に近く感じられる音楽。最近ではレディオヘッドのメンバーやジョニー・マーエディ・ヴェダーなんかに囲まれてライブもやってました。ミュージシャンに尊敬されるミュージシャンだね。ちなみにプロデューサーはミッチェル・フルーム。音の感触もアレンジも完璧。ジャケも好きだなー。僕の作りたいアルバムに一番近いのはこれです。

潤・

2006/06/10
「PACES DOWN」/SONDRE LERCHE
ノルウェーから現れた19歳の天才ソングライター。読み方はソンドレ・ラルケです。美少年ですよ奥様!!曲は少しジャジーな雰囲気も湛えた端正なポップソング。メロディーはものすごく美しい。でもこのアルバムの曲は微妙なバランスのサウンド。ただ単に美しいだけでなく、微妙にゆがんでいたり、ねじっていたり、ただのキレイなポップソングでは終わらせない。これが何度も聞いても飽きない理由。きっと僕はこのアルバムを10年後も、50年後も聴いていると思います。タイムレス。ただこの人、この後のアルバムは正統派の方向性に行っちゃったんだよなぁ・・。本当のジャズっぽく。ちょっと残念。

潤・

2006/07/23
「TIP OF THE TONGUE STATE」/SLY MONGOOSE
日本のダブ・ファンクバンド。歌は基本的にないインストなんですが、まったく物足りなさのない、強烈なバンド。こういうのを都市の民族音楽っていうんでしょうか。ロックもジャズもスカもファンクもすべてが混ぜ合わされたごった煮スープ。あまりにかっこいいので、今僕はライブの登場音楽に使っています。なんか燃え上がるんだよ!!クールなのに燃え上がる。かっこいいなぁー。こういう音楽の上で歌ってみたい。ボーカリストとして参加してみたいです。

潤・

2008/9/14
FRIENDLY FIRES」/FRIENDLY FIRES
今回は出たばっかりのアルバム、フレンドリーファイアーズの1stです。もう今年の最高傑作決定!!素晴らしすぎる!!サマソニで見たライブも良かったし、なんと言っても今年1番の名曲「PARIS」が入ってますから!!でも他の曲もかっこよくてさぁ。どれもポップで、曲としても素晴らしいんだけど、サウンドも踊れる上に、プログレッシブ。色んなアイデアが入ってる。これを80’Sで片付けちゃだめよ。2000年代のクラブミュージックのサウンドと90年代以降のギターノイズミュージックのサウンドを通過しながら80’S以降のキラキラしたメロディーを忘れてないところがいい。完全に2008年の今しかありえないサウンド!!でもこの普遍的な曲!!要するに僕の好きなものが全部入ってる!!僕はこのバンド徹底的に追いかけます!!

潤・

「It's Never Been Like That」/PHOENIX
2010/3/22
このアルバムは書いてなかったので新しく書き下ろし。
何も新しくないのに新しいR&R。ポップでセクシーなのに上品で、それでいてワイルドなR&R。天邪鬼なフランス人が、R&Bコンシャスでハイセンスなポップミュージックアルバムの後に、これを作りあげるところが痛快です。なんか片手でなんでもできちゃうぜ、みたいな余裕があるところがいいよね。今もっともモダンでレトロでクールなR&Rバンドかもしれない。ボクのヨーロッパで3本の指に入る好きなバンドです。あ、5本かも(苦笑)

潤・0

2006/08/19
「STORIES  FROM THE CITY,STORIES FROM SEA」/PJ HARVEY
僕の一番好きな女性アーティスト。デビューしたときからあった凄みに、最近は柔らかさが加わってきて、その柔らかさと強さ(凄み)のバランスが奇跡的なのがこのアルバム。このアルバムのギターの音が好きなんだよねぇ。シングルコイルの繊細なんだけどカミソリみたいな音がいい。そこに微妙にサイケデリックな音像が広がって、独特の空間が広がる。あれはきっとテクニックじゃないんだよねぇ。この人だからこそあの音が出るんだろうなぁ。自分の音を見つけるっていうのは大変だ。僕のギターの音はまだ完成してない。

潤・1

2006/08/12
「REVEAL」/REM
夏真っ盛りですが、このアルバムは夏が終わっちゃうんだなー・・・っていう感情が広がるアルバム。REMというベテランバンドがオリジナルメンバー失った後の混乱(「UP」だね)を乗り越えて完成させた名盤。やっぱり何かを失っていく感覚は強い。夏休みの終わりって自分がひとつ大人に近づいたビターな喜びと悲しみが入り混じった感覚だと思うんだよ。だからこのアルバムもメンバーを失った悲しみの感覚、大切なものがもげてしまった感覚をメジャーコードのキラキラ感に乗せて歌う。僕はこの感覚が大好きだ。ビターでスィートなシンフォニー。地に足をつけて歩いてる感覚。さすが世界最大のインディロックバンド。レコード会社はメジャーだけどね。精神的なものですよ。精神的な。

潤・2

2010/3/14
「Yankee Hotel Foxtrot」/WILCO
4月に7年ぶりの来日を果たすウィルコの最高傑作。オルタナ・カントリーなんて言われてたけど、そんな枠を大きく飛び越えて。ギターノイズもエレクトロニクスも使えるものはなんでも使いながら、手作りの手触りを強く残し、それでいてポップソングであることをやめない。この実験しながらもコミュニケーションも諦めてない姿に本当に感動する。ただのおっさん達がこれだけ美しいものを作る。これを感動的と言わずに何を感動的と言おうか!!ウィルコ絶対支持!!来月のライブが楽しみだな。

潤・3

「Echoes」/RAPTURE
2010/3/22
これも意外なことに書いてなかったので書き下ろし。
00年代で音楽的な事件があるとしたらこのアルバム。ラフな音像で少しぎこちないドラムがディスコビートを刻む。でもディスコの享楽的なところはあまりなく、むしろストイック。そこに怪鳥のような叫び声が絡む。ミニマルなエレクトロ感と相まって、なんともいえないオリジナルな音がそこに誕生!!これは興奮したなぁ。サマソニでハウス・オブ・ジェラスラバーズが流れた瞬間が忘れられません。このアルバムのせいで、いろんなバンドがみんな4つ打ちに流れたよね。でも本当に大事なのは4つ打ちではなくて、このドラムの音だと思うんだけど。

潤・4

2007/8/11
「CASSADAGA」/BRIGHT EYES
今回のサマソニのハイライト、ブライトアイズの最新作。オーソドックスで土の匂いのするR&RとFOLKが何故かこの人が歌うと最新型になる。この声なんだろうなぁ。切なくて、悲しくて、でも強い声。この人は17歳くらいからデビューして活動していて、インディー界のプリンスだったわけだけど、大人になり、いろんな世界を知り、音楽に様々な痛みを落とし込みながら、最後まで希望は失わないすばらしいアーティストになった。前作で全米ナンバー1も奪取、アメリカのアンダーグラウンドがまた力を持ち始めた象徴となった。モデストマウスの最新作ナンバー1もこの人の作った道なのだ。そう偉大なのだ!!目下僕の信頼ナンバー1アーティスト。しばらくは揺ぎ無いかな。

潤・5

20909/8/9
「Funeral」/Arcade Fire
カナダの男女混成大所帯バンドの1枚目。インディーミュージックを取り上げるSNSのピッチフォークで大人気のバンドですね。バイオリンとかバンジョーとかアコーディオンとかトラディショナルな楽器を使って、美しいメロディーを奏でるんだけど、どこかに緊張感がある。オーケストラルポップなんだけどポストパンクの匂いもプンプンする。今ボクが興味があって作りたい音楽に一番近いかな。ボクの曲「チョコレート・レジスタンス」でオーケストラが鳴り響いているのはこのこのアルバムの影響だと思うなぁ。2枚目のアルバムも少し地味ながらすごくかっこよかったし、今後もすごく期待してるバンド。こんなにアルバムが待ち遠しいバンドもいないかな。ちょっと欧米のお葬式っぽくもあるね。色は黒。でもゴスじゃないんだよ。とにかく絶妙。

潤・6

2010/3/22
「Meaningless」/JON BRION
これも書き下ろし。なぜかレビューで探しても出てこないアルバム。
フィオナ・アップルやエイミーマンのプロデュースで有名なプロデューサーのソロアルバム。カニエ・ウエストのアルバムでストリングスアレンジを手がけてのでも注目されてます。コステロやフィン・ブラザーズでもいい仕事してるね。このアルバムがいいんですよ!!奥さん!!派手過ぎない楽曲に、平熱な歌。そしてやっぱり絶妙なアレンジ。さすがボクのフェイバリット・プロデューサー!!しかし2曲目がまるでラルクみたいなのが不思議。すごいかっこいい曲なんだけど。単純なルーツ志向の人じゃないよね。ニューウェーブの感覚もある。そしてとびきりポップ!!僕はこんなアーティストになりたいです。

潤・7

2010/0/22
「Is This It」/STROKES
この00年代を代表する作品も書いてなかった・・。書き下ろしでっせ。
あの時代にこのスカスカサウンドで出てきた衝撃ったらないわけですよ。ラップメタルだのが幅を利かせて音の壁を塗りたくってる中、急に引き算の美学で現れた5人組。ルックスはいいわ、オシャレだわ、家は金持ちだわ、それでいてセンスたっぷりのクールなR&Rを奏でるんだから。降参です。はい。これをヴェルベットの真似だからといって笑って済ますおじさんにはなりたくないないね。いや真似なんだけど、何が悪い?という。ただし、この最高のアルバムを出した人達が、あの2枚目、3枚目は納得いかない。ただのモンド・ポップになっていくんだよね。そんなの他の人でもやってるから、と思うよ。アルバートハモンド・ジュニアのソロも1枚目最高だったけど。2枚目はつまんなかった。この人達は2枚分集中力が持たないんですかね(苦笑)でもこのアルバムが00年代を代表する傑作なのは間違いないです。シンプルなR&Rにセンスを持ち込むのは大変なんだよ。

潤・8

2009/1/17
「Murray Street」/Sonic Youth
NYアングラのドン、ソニックユース!!僕はポップ界隈の人であるし、CHAGEさんのアルバムや中森明菜さんの作品に参加してるけれども、ソニックユース大好きなのです。でもあんまりスタジオミュージシャン系でソニックユース好きって人は聴いたことないかなぁ。
ソニックユースはノイズを音楽に取り込んだ代表的なバンド。で、やはりノイズですから、難解な感じになるところなんだけど、特に時代の流れもあってか、この前の作品くらいから本当にソニックユースのノイズがポップになって。その中でもこのアルバムが一番ポップに聴こえるかなぁ。一時期はメジャーに行ったことで、ポップになるのを拒むような時期もあったけど、今はノイズもポップも自然体。それが一番現れてるアルバムだと思います。「GOO」や「DIRTY」も入門編に適してるけど、今の時代にソニックユースを最初に聴くならこのアルバムじゃないかな?ボクのソニックユース黄金期はこの前後3枚なんですけど。感覚ずれてるかな?ジム・オルークのおかげなのかね。

潤・9

2007/4/15
「I BELIVE」/TIM BURGESS
記念すべき第1回ダラダラジオベストアルバム大賞受賞曲です。シャーラタンズのボーカリストの1STソロアルバム。シャーラタンズよりもポップで、素直にブラックミュージックへの愛情を示しているのが好感が持てます。このアルバムは裏方がライナス・オブ・ハリウッドという箱庭ポップ職人。それだからはどこかかわいい印象がある。いい意味で軽い。ロックだからって重厚感があって、ずっしりくるものだけがいいのではないのよ。こういう腰の軽い、それでいて親密な音楽というのは本当に価値がある。ダラダラジオはこういう音楽をたくさん紹介してきたんだなぁ。このアルバムは2003年リリース。この間のシャーラタンズがあんまりだったので、早くティムのセカンドを求める気持ちが大きくなったます。シャーラタンズはとても好きなバンドだけど、ティムのソロがあればそれでいいな。シャーラタンズファンの方ごめんなさい。

潤・0

2007/2/3
「MERRY MERRY」/EGO-WRAPPIN'
ジャズと昭和歌謡を場末のムードでシャッフルしたサウンドで人気を得た日本のバンド。でもこのアルバムはそんなエゴ・ラッピンは少ないのです。このアルバムの真正面から見た顔はニューウェーブ!!80年代の一番ヒリヒリした時代を感じさせながら、決してリバイバルになってない。素晴らしすぎる!!僕はそんなにエゴ・ラッピンファンなわけではなかったんだけど、このアルバムにはぶっ飛ばされたねぇ。大リスペクトですよ。僕の趣味的にはジャストです。ヒリヒリしつつもスィートなメロディーが隙間から零れ落ちる。音像も秀逸。テクノ以降の耳にもばっちり。若人はこれを聞かなきゃいかんよ。君。

潤・1

2009/2/22
「残響」/SIGUR ROS
このアルバムはびっくりしたねー。氷の世界にいると思われたシガーロスが急に太陽の下へ駆けてきた!!みたいなイメージ。このアルバムは全部アナログレコーディングがされてて、音が素直なんだよね。今の音楽ってオリジナルな音を求めるあまり、音の実験に進みすぎてる気がするんだよ。もちろんテクノの世界みたいに音の感触を楽しむっていうのも素晴らしいんだけど、生まれたままの音を集めて、歓喜のメロディーを奏でると、こんなにも陽性のヴァイブが出てくる。こういう音楽の本来の姿も忘れちゃいけないなぁーって思うよ。音の豊かさとメロディーの力、そして声の魅力、アレンジの妙、そんな素直の素晴らしいアルバム。アイスランドってこんな音の街なのかなぁ?

潤・2

2008/3/8
「LAST BROADCAST」/DOVES
イギリスのロマンティックなメロディーも大好き。そんな僕にぴったりなのがこのダヴズ。マンチェスターニューオーダー、ストーンローゼスの血を引くバンドだね。もともとダンスミュージックを作っていた人たちなので、音作りも繊細。でも楽器もきっちり弾けるし、どこか職人気質。僕はこの美しいメロディーの向こうにブルーズも感じる。そこがいいんだよねぇ。単に未来の音楽ではなくて、歴史や受け継いでいくものを携えながら、未来へ歩いていく音楽。僕はこのバンドが大好きでライブに見に行ったら、一番好きな曲だけドラムが歌っててびっくりしたなぁ。おまえかよ!!って思った(笑)今回のフワリカPART4のオープニング映像の音楽はダヴズなのでした。僕もダヴズのように血に足のついたロマンティックな音楽が作りたい。そう思っているのです。

潤・3

2009/4/19
「かよわきエナジー」/GOING UNDER GROUND
まあファンの中で一番はこのアルバムなんだろうな。歴史の残る名盤。最初から最後まで完璧なアルバム。これを越えるために悪戦苦闘しているのがゴーイングの歴史なのかもしれない。ゴーイングはこのアルバムでジャンプアップして世間に認知されたんだよね。ソウの曲も丈さんの曲も瑞々しくて、だけど切なくて、でも前を向いていて。そこにパーティーソングのショーバケまでがあって。こんなに名曲そろいの旅を繰り広げ、シメに「俺達の旅」という大名曲(僕の一番好きな歌)で自分達の未来と決意を放ち、でもやっぱり不安や残してきた何かに対する切なさが「521」でぽろりと零れ落ちる。まるでゴーイングの辿っている道のようなアルバム。今回のよういっちゃんの最後のライブで「俺達の旅」と「521」が続けて最後に演奏されたのは、自分達の未来への決意と、よういっちゃんが去っていく寂しさ、切なさの両方を演奏したかったんだろうな。5人のゴーイングはこんなに素晴らしいアルバムをこの世界に残した。それでいい。そして4人のゴーイングはどんな音を残してくれるのか。よういっちゃんも楽しみだと思うよ。

潤・4

2007/5/13
「THE FREEDOM SPEAK」/THE LARRIKIN LOVE
また最近のアルバムを。今イギリスで地味に盛り上がっているムーブメントがテムズ・ビート。少し吟遊詩人的で、フォーク、ジャズ、スカなどを様々な音楽を混ぜ合わせながら、ビートはパンキッシュ。すこしアコースティックな匂いがするんだけど、べつにまったりしてない。僕はアコースティックばっかりも好きじゃないし、ハードなギターばっかりも好きじゃない。その中間のどうにも中途半端な音が好きで、テムズ・ビートはそんな僕の趣味にぴったり。しかもこのバンドは切れ味が鋭い。ケンカも強い文学青年って感じ。とてもオリジナルなバンド。これからどういうバンドになっていくのかすごい楽しみだったんだけど、なんと!!もう解散したらしい・・・。なんだよ。まあ1枚名盤残したんだからそれでいいか・・。そういうバンド好きですけど。

潤・5

2008/3/22
「MAKING DENS」/MYSTERY JETS
最近のムーブメントの中では一番音楽的に豊かで、実は影響も大きいんじゃないか?と思えるのがテムズ・ビート。そのテムズ・ビートの中から飛び出した良質のバンドがこのミステリー・ジェッツ。ボヘミアンな雰囲気を醸し出すのがテムズ・ビートだけど、このバンドは一味違う!!だってボーカル、ベース、ドラム、キーボードが20歳そこそこの中、ギターはボーカルのお父さん!!(年齢非公開)本物のヒッピー世代だもの。音楽的にも過去の様々な音楽の歴史をしっかり受け継ぎ、でも新しい音楽を作ってる。ヒーローはシドバレットということで、少しプログレな雰囲気もあるし、サイケデリックな音がかっこいい。楽器もギター、ベース、キーボードはもちろんのこと、チェロや洗濯板まで飛び出す奇妙奇天烈具合い。でもポップ。そこがいいんだなぁ。新しい音楽、オリジナルな音楽というのは過去の歴史を継ぎながら、それを壊すことによって生まれるんじゃないかなぁ。テムズ・ビートの代表的なバンド、ラリキン・ラブが解散してしまった今、このバンドのセカンド(このアルバムは1枚目)には期待いっぱいです。

潤・6

2007/1/7
「YOURS TO KEEP」/ALBERT HAMMOND Jr.
今回のダラダラジオのギタリストのソロアルバム特集はこのアルバムのためにあるようなものです。ヨシノザワもボクも大絶賛。ストロークスよりかっこいいもの!!素晴らしい楽曲に気の効いたアレンジ。このサウンドアレンジがかっちりしてなくて、少し隙があるのが素晴らしい。愛らしさがプラスされて、親しみやすいアルバムになってる。でもヒリヒリしたところもあって。このアルバムはボクの現実的な目標というか、作りたいものに近い気がします。手が届く傑作。でもそれが一番難しいんだけどね。この人にはもっともっとソロを作って欲しい。ストロークス脱退してでも。

潤・7

2007/6/29
「WE WERE DEAD BEFORE THE SHIP EVEN SANK」/MODEST MOUSE
アメリカのアンダーグランドロックの良心、まさかの全米潤・アルバムです。この人達はずっといいアルバムを出してるんだけど、売れるタイプの音楽ではないんですよ。濃いし。おじさんだし。でも何かユーモラスなところが彼らのいいところ。そこが受けたのかなぁ。そしてなんと言ってもNW世代のギターヒーロージョニー・マー加入!!びっくりしたねぇ。じっくり腰を落ち着けてがんばっる実力のあるおじさんは報われるのではないか。そんな気が最近してます。アメリカもまた面白くなってきた気がする。変だけどポップな人がいっぱいでてきた。いいぞ。楽しい。

潤・8

2010/3/21
「NIKKI」/くるり
日本でオルタナティブとポップミュージックのバランスを奇跡的に保って大成功しているアーティストといえばくるり。僕も大好きで、ライブにも行ったりしてます。そのくるりがポップに自覚的になったアルバムがこのNIKKI。60年代のスウィンギング・ロンドンを彷彿させるドラム、ベース、ギターのグルーヴがたまりません。あの時代はポップであることと、先鋭的であることが同義語だったような気がするんだよね。だから、くるりは自覚的にこのサウンドを選んだんだと思う。そしてポップを目指したんだと思います。この後はクラシックの世界に没頭していくわけですが、僕はくるりがある意味半分魂を売った、俗世間にまみれたこのアルバムが大好きです。僕は高潔な立ち止まった世界より、少し汚れてでも前に進む世界が好きです。本当に美しいものは美しいものだけで出来てるわけじゃないんだよ。くるりはそんなことをこのあるアルバムで教えてくれるんだな。なんて勝手に受け取っております。

潤・9

2010/3/22
「Poses」/Rufus Wainwright
これも書き下ろしですー。
ボクのフェイバリットボーカリストであり、最高のゲイミュージシャン、ルーファス・ウェインライトの2枚目。1枚目のシンガーソングライター然としたアルバムの路線を引き継いだアルバムで、ルーファスの中で一番優しいアルバムかな。3枚目以降はゲイの美学爆発になるので好き嫌いがわかれます。ボクは大好きですが。
このアルバムはピアノと歌が中心にあり、それ以外はあくまでも装飾。このシンプルさがルーファスの歌を引き立てるんだな。こんな天使の声がボクは欲しかった。こんないろんなことを見てきた天使の声が。

潤・0

2007/5/5
「SEA CHANGE」/BECK
今日はライブの当日なので、アコースティックな感触のアルバムを。このBECKの中で最もメランコリックなアルバムは、プロデュースがナイジェル・ゴッドリッチ。レディオ・ヘッドで有名な人だね。この繊細な音作りに反応して、ベックも儚いメロディーを紡ぎだしています。僕はこのアルバム以降のベックがすごく好きです。なんか敗北したあとの地平みたいなものを感じさせるんだよね。人生なんて負けることがもの凄く多いじゃない?その後の風景がこのくらい美しかったらいいなぁ・・見たいな感情がこのアルバムを聞くと沸きあがります。BECKは本当に信頼できる。僕も今日はそんな風景をライブハウスで見せたいと思います。



いやあ選考には苦労しました。やっぱり10年間っていったらいいアルバムありますよ!!泣く泣く落としたアルバムは、トラヴィス、ゴメズ、ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブフジファブリックイルリメQ-TIPジャービス・コッカー、ムーニースズキ、ズートンズ、ソーンズ、マジック・ナンバーズなんかかな。

まあ世間的にはストロークスアークティック・モンキーズなんだろうし、レディオ・ヘッドが1枚もないなんて!!という意見も多いでしょう。ストロークスは1枚目だけ、アークティックは良かったけど、他にもいい音楽はたくさんあったかな。レディオ・ヘッドは「OKコンピューター」を越える衝撃はなかった。「KID A」はもちろん衝撃だったけど、歴史の流れに置いたときに価値があるアルバムなんだと思う。

国的にはアメリカインディーシーンの印象が大きかったね。実際国別に30枚を分けると、アメリカ(カナダ含む)が13枚、イギリス7枚、日本5枚、その他10枚です。デヴィッドバーン&イーノなんてどこかわかんないし(苦笑)まあアメリカはでかいからな。ショーン・レノンアメリカなのか?って話もありますが。

00年代は音楽よりも音楽の商業的成り立ちの変化に尽きる。なので問題は10年代に繰越です。どうやってミュージシャンが飯を食うのか、レコード会社はいるのか?ライブで収益をあげるには?ネットのうまい利用法、様々な問題が片付かないままです。

あとはデジタルの普及で制作環境も変わりました。みんなある程度の作品が作れるようになった。そこで結局わかったのは、メロディーのセンス、歌詞によって差がつくんだよね。そしてライブが重要視されるようになり、楽器の技術、ステージング及び人をひきつける魅力とか、当たり前の実力が見直された。要は音楽ってことだよね。音楽がよくないとどうにもならんのですよ。はい。

10年代がどうなるのかはまったくわかりませんが、僕も音楽の世界のはしくれにいますから、何か影響を与えるような作品を作っていきたいですね。

あとは可愛い娘が元気ならいいです(笑)