「★」/David Bowie


デヴィッド・ボウイが最後に残した傑作。正直ボウイが亡くなってしまった今、その悲しみを抜きにこの作品を聴くこともできないんだけど、完成度は抜群。ジャズメンをたくさん使い、新たなサウンドを構築してる。この最後まで新しいところにボウイの凄みを感じる。


もうこの作品を作る時には自分が亡くなること、少なくとも死期が近いことはわかっていたはず。そうなったら自分の集大成作品みたいものを普通は目指したくなる。しかも前作の「THE NEXT DAY」は原点回帰で高い評価を得ていた。僕も熱狂した作品。なら最後にその路線で、って考えてもおかしくない。偉大なオリジネーターなんだから。でもボウイはそうしなかった。最後まで新しい音楽を目指した。そして結果を残した。脱帽。


きっとボウイが重視したのは音楽というより美学。ボウイは常に革新であるということ。それを貫いたんだと思う。だからこそのボウイ。今までの作品には立ち止まったボウイはいない。一度も停滞しなかったアーティスト。それを50年近く続けるなんて信じられる?改めてボウイに愛とリスペクトを。悲しみの前に。