球体

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昨日は病み上がりのリハビリを兼ねて、外に出た方が良いという判断で下北モナレコードへ。ポプシとブロークンTVが出るって事で。


まあ色々あって早めに着いて、全バンド見れた。1組目はSAKU君という弾き語りの人。めちゃ歌上手い。90年代UK節が染み付いた歌の人。英詞って事もあるけど、それを差し引いてもだね。90年代に下北にいたら絶対人気者。


2組目のポプシは平田さんお休みで、ゲスト交えながら基本2人編成。

美音子ちゃんはちゃんと歌が上手いなぁ。味とかもちゃんとあるけど、前提として歌い手として上手い。それでいて歌い上げに行かない塩梅が素晴らしい。そして昨日はしまっちの声の良さも際立ってた。なんか歌い手として覚醒した感じ。2人のハーモニーは絶品。ギターも良い音だし、良い曲を良い音で、良い声で歌う。これ正義なり。


中村ジョーさんと北山ゆう子さんはベテランの余裕。阿吽で全て進む。北山さんのドラム良かったなぁ。ドラムの音がハーモニー奏でてる感じがした。


そして今回見たかったブロークンTV。ボーカルがソイチャンネルになって初。ずっと見たかった。ソイチャンネルの事はまあまあ前から知ってるし、加入にはびっくりした。前任が濃い味のリカチャンネルだったのでどうなるか?

結果から言えばベストチョイスだね。バッチリ。昔から居たみたいな感じがする。リカチャンネルの異物感の面白さではなく、スッポリブロークンTVのインディーポップに収まる歌。無理がない。元々の感覚が近いんだろうね。穏やかにも、強くも行けるし、これはこの先が楽しみになった。それぞれのメンバーの味の濃さも上手く引き出すような、そんな触媒としての能力も感じる。

良い音楽ってとても美しい球体のようになる。無駄がなく、すべてがそこに収まるような感覚。ブロークンTVって沢山の無駄を貼り付けて、そのゴテゴテ感で勝負するような音楽に聴こえるけど、ソイチャンネルの歌が入って、その要素が無駄に感じなくなった。面白い。カラフルな事は変わらないけど、ビビッドなリカチャンネルから、パウルクレーみたいな淡いカラフルさのソイチャンネルへ進化した感じ。少し大人になったとも言えるのかな。でもブロークンTVってずっと生き物感あるから、これも完成ではないんでしょうね。面白いバンドだ。ずっと楽しめる。


ラストのバンド、睡眠船のドラムの子が、若き頃のミッキーみたいで笑ってしまった。音楽はまずはみ出して、その後に収まる所に収まって美しき球体を目指す。ポプシみたいな老練な球体だけじゃなく、色んな球体があっていい。でも良い音楽は球体。それは間違いない。最終的にみんなそこを目指すんだと思う。