アメリカのヒリヒリするフォークサウンドを聞かせてきた、女性シンガーソングライターの新作。今回は今までの弾き語りの延長線上にあるサウンドではなく、打ち込みを多用したサウンドを聞かせてくれる。しかしそこはキャットパワー、打ち込みサウンドだろうが軽い雰囲気は微塵もなく、どこか荘厳で、深い世界を聞かせてくれます。そんなサウンドに貢献したのがフィリップ・ズダール。フランスのエレクトロユニット、カシアスのメンバーですね。カシアス好きでよく聴いてました。最近はビースティなども手掛けてすっかり大物。アナログ機材を使い倒して作る暖かいサウンドがキャットパワーにぴったり。この組み合わせは完璧。どこか重すぎる雰囲気もあってコアな人以外は近寄りがたかったのが、うまく扉が開いた感じがします。柔らかいダンスミュージックポップの傑作。
