「Modern Vampires of the City」/Vampire Weekend



各方面で話題のヴァンパイアウィークエンドの3枚目。このバンド、実は1枚目ではあまりはまらなくて。僕らセンスの良い音楽やってるだろ?みたいなイメージがあって。音からスノッブな匂いがするというか。でも2枚目で一気に開けた音楽、趣味の良さで人を区別するのではなく、万人に向けて手を広げてるようなイメージになって、すごく好きになりました。それでこの3枚目。その解放感はそのままに、もっと自然にダンスしているというか、自然でナチュラルなイメージが広がる。でも音そのものを聞くととてもオリジナル。音の組み合わせや、ひとつひとつの音も凄く練られてる。ポップミュージック界では音響派以後というかコーネリアス以後っていうタームがあると僕は思ってるんだけど、それは音そのものの面白さに着目して、シンプルな音の配置で楽しむ音楽の形。その中でこのアルバムは、音の楽しさと楽曲の楽しさをものすごく良いバランスで成立させている。現在のポップミュージックの完成形。50年代くらいのシンプルなR&Rを現在の音像で表現するなんて、最高に決まってるじゃん。これでこの人たち完全に頭一つ抜け出しましたね。2013年の名盤決定。