あまりに落とすのが惜しいアルバム続出で邦楽ベスト10も選出することに。まあ洋楽よりは買ってないから10枚にしたらすんなりでしたけど。
1.THE PIER/くるり
これはもう完璧。圧巻のくるり。ここ最近の作品はちょっと物足りなかったり、上品すぎる感じが僕にはあったんですが、今回は凄まじきごった煮具合。世界中の音楽を集めて、京都フィルターを通した異形のワールドミュージック。でもポップってところが味噌。くるりは諦めてない。素晴らしい。
ついに現れた日本からのフリートフォクシーズへの回答。音への変質的なこだわりと、ルーツミュージックへの愛情。そしてそれを合わせて現代的に聴かせるセンス。これは新しい世代出てきたなぁーって思いました。ただ、このアイデアを百戦錬磨のエンジニアにぶつけて作ったらもっと良い作品になる気がしたかな。それこそグリズリーベアにも負けない作品が。プロデューサーはいらないけどエンジニア欲しい。中村宗一郎さんとやって欲しいなぁ。この組曲が圧巻。
3.HOTEL VALENTINE/CIBO MATTO
チボマットが邦楽なのかは迷うところですが、日本人なんで。10年以上ぶりのカムバックですが、音選びのセンスは相変わらず抜群。1曲目のパーカッションの音だけで昇天です。ラウンジミュージックに陥らずに、しっかりリスニングできるところがいい。ポップのバランスも完璧です。次は早く作ってほしいな。いつでも待ってるアーティスト。
4.PAPERCRAFT/OGRE YOU ASSHOLE
完全に我が道を行くオウガユーアスホール。今回も独特のムードでバンドサウンドを聞かせてくれます。パーカッションやらオルガンやらを多用して、今回はさらにエキゾ感が増したかな。いやしかし今回も素晴らしいんだけど、前作があまりに素晴らしすぎて、それと比べちゃうのだけがひとつの難点。いやハードルが天井知らずになってます。次も絶対に買うアーティスト。
5.REST OF THE WORLD/高橋徹也
僕がずっと熱い視線を送り続けるシンガーソングライターの幻の作品がリリース。あの僕が一番影響を受けた時代の音楽がよみがえっていて心が熱くなったなぁ。相変わらずのダークサイドっぷりで、どこか違う世界を垣間見せてくれます。
こんな作品を作る人達が身近にいる幸せ。ダークサイドの美しさを見せてくれる傑作。鋼のドラムのグルーヴと、叩きつけるようなピアノ、そして色気たっぷりのギターと歌。3人の要素が完璧に混ざり合ってます。ただ、ライブの素晴らしさに比べたらまだまだいける。もっと突っ込んだ音を作るエンジニアさんと組んで欲しいなぁ。
7.ナマで踊ろう/坂本慎太郎
各雑誌でも評価が高い一枚ですけど、その音楽は温泉場で流れるムード歌謡のように脱力の独特なポップミュージック。どこにもない音楽であることは間違いない。誰も真似できない、そしてこの人だからこそ成り立つような危うい音楽。なんか背筋が寒くなるような要素があるのもいいね。まあそれでも僕はゆらゆら帝国のようなサイケデリックなロックナンバーも聴きたいなぁーって思っちゃう悪しきファンなんですけど。次はどこに行くのかがまったく予想できないね。
復活後のGREAT3はずっと好調。今回のアルバムもセクシーで豊潤で、それでいてGREAT3特有の切迫感もあって。確かにダフトパンクな流れの音なんだけど、あの能天気感はなくて、なんか悩みながら踊ってる感じがいいなぁーって思います。このベテランでまだ進化する匂い満々なのが凄い。次が最高傑作じゃないかなぁ。楽しみ。
9.CAMPFIRE/メレンゲ
メレンゲのレコード会社も事務所も移籍後の初アルバム。ポップの王道を行くぞ!と腹を決めた気概がムンムン。なんというか、ちゃんと考えて作ったポップってこういうことじゃないかな。しかもセンスの良いポップ。
10.ひとりぼっちになる日のために/GOING UNDER GROUND
ゴーイングの10枚目。こんなベテランになっても、なんとも青いところがとてもゴーイングらしい。ドラムの丈さんが脱退で、そのことを気にせずに作っているのに、どこかに苦みが混じるのが正直な気持ちなのかな。現在地を正直に表した誠実なアルバム。
これが僕の2014年の10枚。本当の10枚はもっと聴かないとわかんないんだろうなぁーとも。まあ聴く方は職業じゃなく、趣味ですから。音楽好きの10枚だと思ってもらえたら。
そしてそんな趣味のシンガーソングライターのライブはこちら。負けない曲を披露しますよ。
1月15日(金) 高円寺HIGH
Open18:00/Start18:30
前売\2,000/当日\2,500
[雪折れのころ]
出演:エガワヒロシ/蝦名恵/谷山竜志/イシタミ/いしばしさちこ