「To Pimp A Butterfly」/Kendrick Lamar

今年のベストアルバムが出始める時期ですが、どこでも名前を聞くのがこのケンドリックラマー。まあ趣味を入れないで、完成度や、衝撃度、時代性など、客観的なところで評価すれば、これが当然の一番かな。このヒップホップ門外漢の僕ですらそう思う作品の説得力。素直にかっこいい!と叫べる。


最近はプロダクションの自由度が異常に上がって、ドラムやらベースやらも既存の音を無視したものが増えている(グリッチノイズがハイハットとかね)。その音の刺激たるや興奮するものがある。アルカなんてその筆頭。でもそれを普遍的なポップミュージックに落とし込めるかどうかは別で、逆にオーセンティックな楽器をその世界にうまく持ち込んで上手く世界を作っている人が多い。ヒップホップなんてその世界のトップランナー。その中でもこのアルバムは普遍と刺激のバランスが絶妙だと思う。


ロックバンドに音の革新性を求めることが難しくなった時代に、革新性と普遍性のバランスのバトンはずっとヒップホップにが持ってる。革新性は大抵テクノ側から出てきますけど、そこもうまく取り込んでいく。まあその成果すらも飲み込むのはポップってやつですけどね。ポップの胃袋は天井知らずですよ。