アルバム全曲解説!!「SAMIDARE NIGHT」編

 

 


アルバム全曲解説いよいよラスト。ミニアルバム「SAMIDARE NIGHT」のタイトルトラックを。

 


この曲はほぼ同じコード進行が繰り返されるし、サビのメロディーを連呼するばかりのシンプルな曲で。でもこれでもか!と繰り返すことによる高揚感みたいなものが気に入って、自分で歌ってみる気になった曲。

 


元々はあるアイドルグループを頭に置いて書いたので、今でもそのグループにはぴったりだと思ってます。でもコンペに通るのはなかなか大変で。ただコンペに通らなかったら悪い曲とは自分では考えてないので、いつでも自分で歌うぜ!と思いながら、どんな時でも魂込めて曲を作ってます。多分、この意識があるから何度も何度もコンペに落ちても辞めないでいられるんだと思う。みんな自分の音楽を否定されまくった気分になるからね。だから辞めちゃうんだよ。作曲家のほとんどは。

 


この曲は沢山の人が歌うイメージ。ライブなどでみんなが「サミダレナイトは!」って歌ってくれたら嬉しいかな。

 


ちなみに歌詞は「夕立」と同じ雨シリーズ。夕立は急に雨に打たれた苦しさや切なさを色んな事と重ね合わせてイメージした曲ですが、こっちはずーっと雨の中にいながらどこかでその切なさを振り切って行くイメージ。そして人生は土砂降りの雨や快晴の日々よりも、ほとんどが五月雨くらいの雨の日なんじゃないかな?という事も重ねてます。そんな日々を振り切って行こう!って感じか。

 


ミムラスと深夜のドライブをしながら作ったMVも見てください。ぎこちなく踊る俺が見れます。あのね、ダンスなんて下手クソでも踊れば良いんだよ。踊る事に意義がある。

 

 

 

 


「SAMIDARE NIGHT」

 


サミダレナイトは

涙の訳も洗い流すから

色あせたLovi’n you

胸に刺さって抜けないでいる

サミダレナイトは

涙の意味も洗い流すから

飲み込んだLovi’n you

サヨナラさBaby you

 

君が呟いたHold me tight

まるで街角の夢みたい

本当の事を待ち続け

いつもやっぱり待ちぼうけ

雨に濡れたままの僕がいる

 


暗闇の中のSearch light

まるで僕を避けてるみたい

大きな声で叫んでも

誰にも届かないようで

雨に濡れてるだけの僕がいる

 

サミダレナイトは

大事なものを洗い流すから

大切なLovi’n you

濡れないように抱え込んでいる

サミダレナイトは

悲しい事も洗い流すから

朽ち果てたLovi’n you

サヨナラさBaby you

 

愛の意味とかまるで

知らない癖に愛してしまった

狂おしいだけ Lovi’n you

 

サミダレナイトは

涙の訳も洗い流すから

色あせたLovi’n you

胸に刺さって抜けないでいる

サミダレナイトは

涙の意味も洗い流すから

飲み込んだLovi’n you

サヨナラさBaby you

サミダレナイトは

大事なものを洗い流すから

大切なLovi’n you

濡れないように抱え込んでいる

サミダレナイトは

悲しい事も洗い流すから

朽ち果てたLovi’n you

サヨナラさBaby you

 

サミダレナイトは・・・

アルバム全曲解説!!「 BABY BABY」編

 

 


アルバム全曲解説再開。今回は80年代感しかない「BABY BABY」を。

 


この曲もコンペの時に作った曲。あんまりないのですが、もうどうひねり出してもメロディーが出てこなくて。結局ある好きな曲のコード進行に沿ってトラックを作り、その上で歌うという暴挙に出て作った曲です。まあ何の曲かは丸わかりだと思いますけど。笑

 


このトラックを作る時、その当時の家の隣では工事が行われており。それがうるさくて、もうその噪音を録音してやれ!って録った音を加工してループを作り、そこからトラックを作りました。そこに80年代らしい八分のシンセベースを入れ、シンセを重ねて作った曲。僕はいつもアコギで弾き語れるくらいになってから録音を始めるので、珍しいパターンですね。

 


そして実はこの詞、僕のイメージではペットから見たご主人への気持ちなんです。ペットの気持ちを歌った曲なんて初めて作ったけどどうだろう?高校の時に唯一の友達だと思ってた犬のラッキーを思い出しながら作りました。まあ聴く人には自由に恋愛と解釈してもらっても、奴隷と女王でも何でも構いませんよ。おじさんが若い子との恋愛を妄想するでも。なんか美しくない方向になって来たな。笑

 


Aメロの細かく刻むフレーズは僕の中では珍しいパターン。そこだけは80年代ではなく、現代の曲である事を意識しました。まあ作り手側の勝手なイメージですけどね。

 


ロマンティックな曲になったかなぁーとは思ってます。でも誰かに歌って欲しかったかなぁ。今回のアルバムで、この曲だけは少しそっちの気持ちが強い気がします。

 

 

 

 


「BABY BABY」

 

いつも気が付けばロンリー

悲しくないとか言って

強がりばっかでゴマカシばっかのsensitive girl

何を見てる?  僕がここにいるだろう

明日になったらきっと

涙は頬を伝って

薄暗い部屋の扉を開けてしまうから

ほら今すぐ 僕の腕に触れてよ

 

きつくBABYBABY抱いて

僕の瞳に映った

光だけを見てれば良いから

それはBABYBABYきっと

雨宿りの時間だって

誰かが言っても君がとりあえず

笑い出したならそれで良いんだよ

 

小さな棘が刺さった

君の右手を握って

不器用なくせになんとか抜いてあげるから

いつの間にか  棘は消えていたんだ

 

だからBABYBABYずっと

寂しさの森に迷って

しまった時だけで良いから

いつもBABYBABYちょっと

心細くなったならば

僕の名前を呼んでくれたならば

君のすぐそばへ駆けつけて行くよ

 

長く曲がりくねった道の途中で

道端に咲くキレイな花が

太陽に向かって伸びていた

 

きつくBABYBABY抱いて

僕の瞳に映った

光だけを見てれば良いから

それはBABYBABYきっと

雨宿りの時間だって

誰かが言っても君がとりあえず

笑い出したならそれで良いんだよ

 

いつも気が付けばロンリー

悲しくないとか言って

強がりばっかでゴマカシばっかのsensitive girl

何を見てる?  僕がここにいるだろう

アルバム全曲解説!!「夕立」編

 

 


これを作った時は明確に覚えていて、コンペでサイモン&ガーファンクルイメージの曲が来たんです。それで曲を作ってる時にできた曲。そしてギターの最初のリフはそれこそ20歳くらいの時に考えたリフで、でもずっと使って来なかったもの。その20年くらいの間がある2つが突然ぶつかり合い、この曲は産まれました。

 


サイモン&ガーファンクルは勿論なんだけと、モンキーズだったり、バングルスだったり、好きなイメージを存分に刻みつけた音。まあ僕のルーツ的なものが滲み出ちゃったというか。意識的じゃなくてね。

 


歌詞は今回で1番気に入ってます。お得意の雨ソング。思春期的な焦燥感も表現出来たかな。大人になったら思春期の焦燥感が無くなる訳じゃないのよ。そこに意識的になれるだけで、焦燥感が消えるわけじゃない。そんな大人の青い歌です。

 

 

 

 


「夕立」

 

セミの抜け殻が風に揺れ

どこにも行けない僕を見る

君はサナギにもなれなくて

僕と同じように空っぽさ

 

夕暮れを待たず 僕の住む街を

夕立が黒く塗りつぶしたんだ

 

ずぶ濡れのTシャツが  心まで張り付いて

前が見えなくなった  明日はどこなの?

役に立たない傘に  必死にしがみついて

飛び出した街角で  君を見つけたんだ

 


雨に濡れながら  HEY HEY HEY

踊っていたのは  HEY HEY HEY

 

涙もすべて 雨に紛れて

洗い流した 流して

モヤモヤしたカタマリが

ウジウジしたカサブタ

グズグズしたこの僕が

生まれ変わる瞬間 HEY HEY HEY

 

ずぶ濡れのTシャツが  心まで張り付いて

前が見えなくなった  明日はどこなの?

役に立たない傘に  必死にしがみついて

飛び出した街角で  君を見つけたんだ

 


雨に濡れながら  HEY HEY HEY

踊っていたのは  HEY HEY HEY

ずぶ濡れの天使  HEY HEY HEY

君と目が合って  HEY HEY HEY

~この雨が止む頃には

いつも君はいないんだ

君が踊る姿見て

いつも僕は目を覚ます~

 

明日はここに

アルバム全曲解説!!「無重力LOVE」編

 

 


アルバム解説2曲目は「無重力LOVE」。久しぶりにMV作った曲ですね。

 


アコースティックギターが鳴る優しいメロディーの曲です。みんなの感想もそんな感じ。そして良かった!との声が1番多い曲でもあります。実は。

 


これは日常ですね。恋をした時の最初の盛り上がりじゃなくて、その状態が日常になっていく、1番幸せな時間の歌。なんとなくそんなに会話しなくても空間が埋まるようになったくらいの空気感を出したくてね。そしてそれは何か確たるものを感じてそう思うわけじゃなくて、フワッとした、それこそ無重力状態みたいな感覚なんじゃないか?とそんな事を歌にしてます。

 


幸せっていうものを確実に感じたい、それこそ言葉にとにかくして欲しいって人はたくさんいると思うんですけど、残念ながらそんな感覚を得る為には、無重力のようなフワリとした状態を受け入れないといけない。そこからしか幸せって始まらないと思うんです。確信なんて持てないけど、なんだか胸の奥が暖かい。そんなイメージ。結果から求めると形が歪になるんだよね。ゆっくりと、歩くように距離を詰めて、幸せのカケラを積み重ねていく。それが本当の幸せの基礎になるんだと思う。

 


これはギターソロを弾いてます。ファズ感のある音で。あまりやった事ないやつ。田村君じゃないギターってのがポイントです。それ以外はいつものエガワヒロシサウンドかな。曲も1番得意なやつ。

 


そしてこの曲は実は転がり続ける下北沢のロックバンド、wash?の「you」という曲のMV見てて、コインランドリーのシーンで頭にメロディーが浮かんで出来た曲です。まあ曲調も全然違いますけど。笑

 

 

 

無重力LOVE」

 

コインランドリーで  グルグル回った

二人のTシャツ  絡み合っていた

 

恋は無重力でBABY

フワリ  漂ってるだけ

 

あぁ 確かなものなどないけど

求め合っている

繋いだ手と手が心に届いたんだ

それはきっと  思い過ごしかもね

 

何が起こっても  何も起きなくても

二人で並んで歩くのが

正しいことだって

何だか心の奥の奥の方で

そんな声が聞こえた

そんな声が聞こえた

 

あぁ泣いたり笑ったりそれだけ

繰り返していく

それでも何だか良いよね

君が笑ったんだ

あぁ確かなものなどないけど

求め合っている

(曲がりくねった 長い道のり

だけど僕らは 手を取り合って)

繋いだ手と手が心に届いたんだ

(擦りむいたって 這いつくばって

だけど笑って だけど笑って)

それはきっと  思い過ごしかもね

アルバム全曲解説!!「I'm a dreamer〜john's soul〜 」編

 

 


みんなに気に入ってもらえたみたいで「SAMIDARE NIGHT」は幸せなミニアルバムになってます。

このアルバムは自分で出しただけなので、そんなに宣伝出来るわけじゃないし(だからこそこの間の「bayfm it!!」は嬉しかった!)宣伝にも限りがあるので、アルバム完成したらやりたかった全曲解説をしたいと思います。セルフインタビューみたいなものか。

 


まずはラストナンバー「I'm a dreamer〜john's soul〜」から。

 


サブタイトルはジョンレノンのファーストアルバムの邦題「ジョンの魂」から拝借。いつも言ってる通り、僕の父親のおじの娘の旦那がオノヨーコさんの兄だか弟だかで、ジョンとは親戚ということに自分でしてることもあるんですが(笑)とにかくジョンが好きなんです。音楽も生き方も。あの馬鹿正直ですぐ人にぶつかる癖にナイーブなところ。それが音楽にも出てるし、音楽がジョンそのもの。音楽とイコールの人に憧れるんです。

 


僕がハウスハズバンド的な生き方を選び、それを真っ直ぐ、堂々と取り組み続けていられるのも多分、ジョンの影響がデカイ。だからこそ、家事に逃げてるような生活もしたくなくて、全てを全力でやる毎日を送ってます。

 


そんな毎日を送ってたどり着いたのがこの曲の世界。特に子供が生まれ、たおを大切に育てることを第一に生きていると、とにかく未来を肯定したくなる。光を見出したくなるんです。だからこそ綺麗事を言いたかった。夢は叶う。永遠はある。そんな言葉。

 


嘘っぱちだって良いんです。とにかくそれを口にすることが大事。それをたおに、子供に、未来が不安になってる人に、下を向いてる人に届けたかった。指さされたって良いんです。口にして、きらめきをまとう。それだけが大事で。

 


この曲を笑う人もいると思う。ケッって思う人もいる居ると思う。でもそれで良いんです。だから「綺麗事言うよ」って宣言してるんだから。

 


自分がジョンの後継者だなんて言うつもりはないけれど、何かを継承する一部分にでもなれてたら良いなぁーって思ってます。僕は夢想家。そんな言葉をタイトルにしました。

 


ちなみにサウンドも自分の大好きな60年代オマージュで逆回転満載。サイケデリックへの異常な執着も僕の個性です。ノードラッグなのに。クスリ絶対ダメ。

 

 

 

「Im’ a dreamer~ジョンの魂~」

 

君の青い鳥が  その手離れても

綺麗事言うよ  夢は叶うんだよ

明日の置き場所が  わからない時も

綺麗事言うよ  永遠ってあるんだよ

 

でまかせの嘘つきと  後ろ指さされても 大切なのは

口にした瞬間の  ちっぽけなキラメキを

まとうことで  さあ行こう

 

夢を見よう 君の明日を  照らすんだよ

本当の事は 眩しい  モノなんだよ

うつむいていた君が  顔を上げたら

それで良いんだ  Im’a dreamer

 

ジョンが語る言葉はいつも

デタラメなのかもしれないけど

心の奥まで突き刺さる

 

想像をしよう  輝ける日々を

真っ白なピアノ  奏で 歌うんだよ

夢を見よう君の明日を  照らすんだよ

本当の事は眩しい  モノなんだよ

うつむいていた君が  顔を上げたら

それで良いんだ Im’a dreamer

SAMIDARE NIGHT

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ついに4枚目のミニアルバムが完成しました!タイトルは迷いましたが、「SAMIDARE NIGHT」に決めました。初めてのタイトルトラック。アルバムの一曲のタイトルをアルバムタイトルにするのは初めて。基本的にアルバムには一貫した世界観みたいなのが欲しい人なんどけどね。今回はこれ以上のタイトルは思いつかず。なんとなくワード感が気に入っててね。

 


今回のコンセプトは生活感、等身大、とにかく自分そのままのものを描きたかった。なので今回は岡田勉さんのMIX以外、すべてを自分でやった真正シンガーソングライターアルバムです。作詞作曲は勿論、アレンジも楽器演奏も、ジャケットデザインも自分でやりました。等身大が必ずしも正しいとは思いませんが、一度そんなものを作ってみたかった。もっと言えば間違ってみたかった。その間違いも含めて作品にしてみたかった。そんな青臭い思いがこの作品には充満してます。息苦しくなって聴いて下さい!

 


既に各ストリーミングサイト等でも聴けます。とりあえず自分がよく使ってる。spotifyはこちら!


https://open.spotify.com/album/1QIX9RKmvtaBa63yXUh52b

 


そして今回は配信のみのリリースなので、歌詞が見れない。なので歌詞をホームページにまとめました。こちらを見ながらアルバムを楽しんで貰えたら。


https://egawahiroshi.wixsite.com/hiroshiegawa/samidare-night


48歳の今、デビューから20年経った今が詰まった作品です。嘘偽りない現在のエガワヒロシ。そんなものを感じて下さい!よろしくお願いします!

「2017年ベストアルバム」

新年になってからいつも前年のベストアルバムを選んでます。いつもならすぐ決まるんですけど今回は迷ったー。良いアルバムは多かったんですけど、これ!というのがなくて。なので10枚はとても厳しかった。この10枚と同じくらいだなぁーって思うのはあと15枚くらいあるかな。で、これが僕の2017年アルバム。

1.Electric Trim/Lee Ranaldo
2.Sleep Well Beast/The National
3.A Deeper Understanding/The War On Drugs
4.Colors/Beck
5.Villains/Queens Of Stone Age
6.Salutations/Conor Oberst
7.Song Of Experience/U2
8.Semper Femina/Laura Marling
9.Drunk/Thundercat
10.Hug Of Thunder/Broken Social Scene

今回はアメリカやカナダの充実したインディー王道バンドのリリースラッシュ。アーケイドファイア、スプーン、フリートフォクシーズ、シンズ、ダーティープロジェクターズ等も充実策を出しましたが、どのバンドも今までの作品と比べて抜けてるとは思えなかったかな。グリズリーベアを買えてないのは反省。

その中でナショナルは今までと比べても何かしっくりきた。実験性はむしろ増してるし、ポップになったって感じはないのに深みは増し、力強くなったような感触があります。自分と波長が合って来ただけかもしれないけど(苦笑)あとブライトアイズ名義を期待しちゃうコナーも良かった。ソロでは一番好きかな。シンガーソングライターの着実な作品って感じです。昔のストレンジな感じはなくなったけど、この人はこれで良い気がします。

そしてブロークンソーシャルシーンは完全に最高傑作。音がデジタル処理された感が強すぎる嫌いはありますが、今まであったアーケイドファイアの二番煎じ感は払しょくできたかな。アーケイドファイアは葬式でダンス!みたいなオリジナリティーがあるんだけど、もっと平熱でダンスしてる感じにブロークンソーシャルシーンはなってると思います。余談ですが今の時代のスタジアムロックってこういうことかな?と思います。それはレディオヘッドがビッグになったことで、単純で大文字のロックがやりにくくなった。その隙をついてアーケイドファイアとコールドプレイが作ったのが今の時代のスタジアムロック。音は入り組んでいるけれどビッグなメロディーが必ずあって、サビに向かって繊細な音を積み上げ、サビでドーンと突き抜ける。思慮深さと快感原則を両立したロックサウンド。ジョー・チッカレリ仕事って感じですな。

そしてオルタナティブ番長的なソニックユース組とベックもコンスタントにリリース。ソニックユース組のリーとサーストンはどちらも良いアルバムでしたが、やっぱり僕はリーが好き。あのジョージハリスン的な丁度良い立ち位置が最高。そして今まではポップな曲をやる時に気負いだったり照れみたいなものを少し感じてたんだけど、やっと板についてきた気がします。リーのポップの温度が一番しっくりくる。サーストンは頑張ってソニックユースの看板を背負ってる感じがするけど、リーは自由で良いね。

ベックはあっぱれ。ポップにあんなに飛び込むなんて。やる時はやり過ぎなくらいやるのがベックの楽しいところ。正直フェニックス聴いてるのか?ってくらいポップな音。好みとしてはブルーズ感が薄れ過ぎとは感じるけど、ポップをやるには邪魔だったのかな。軽薄な音なんだけど何回も聴ける。さすがベック。

そしてセカンドアルバムの失速を免れたのがウォーオンドラックス。この人はチルウェイブとディランの融合だと思ってたんだけど、今回のアルバムで一つ気付いた。それはブライアン・アダムスとの類似性。いや本人絶対嫌がると思うけど、あの大陸的なメロディーをどこかに感じる。そしてそこがとても好きです。

さらにアメリカインディーに当てはまらない鬼っ子ハードロックのクィーンオブザストーンエイジも良かった。この人達の雑食性と貪欲さを表すようなマーク・ロンソンと組むというチャレンジ。そのアイデアを実践しちゃのが良いよね。しかもしっかりその成果も出てて。孤高のロックバンド。

そしてベテランのU2がこんな良い作品を作ってくるとは意外でした。正直前のアルバムはあんまり好きじゃなくて、そんなに期待してなかった。それがしっかりソングライティングに焦点を絞って、良いアルバムを完成させてきた。他にもデペッシュモードやポールウェラーシャーラタンズ、ライドなんかも良かったね。英国はベテランが元気でした。ちなみに良い曲しか書けない病気のノエルさんは今回も美メロの嵐。でもサウンドに色気を出したらちょっとぼやけたかな。ノエルに期待してるのは曲だけなので、誰かほかのアレンジャーとやって欲しい。小林武史でも良いよ(笑)ニールフィンの焦点の絞れたアルバムを見習って欲しいかな。

2017年の反省点は新しい音を探せなかったこと。まあ経済的事情もあるんですが(苦笑)もっと新しい音を探したかった。その中でも新しい出会いはローラ・マーリング。ファイストをもっと室内楽的にした感じで、静かな部屋で一人で聞くのにぴったりな音楽でした。音の一つ一つの手触りを感じるような音楽。さらに流行りの越境的なジャズの人、サンダーキャットのアルバムも良かった。カマシ・ワシントン程の出会い頭感はなかったけど、AORを現代的にしていく感じはとても面白いです。

他にはフェニックス、LCDサウンドシステム、ケンドリック・ラマー、マシュー・スウィート、ホラーズなんかも良かった。日本だと高橋徹也さんとHi-5、ナッヂエムオール、ゴーイングといった身近な人から良いアルバムが届きましたね。the MADRASのシングルもか。そしてコーネリアスもいた。うん。

2018年も僕はアナログもCDも買うと思います。そういう文化圏に生きてる。それが現代的なのかどうかはわからないけど、そんな生活を通して音楽を作りたいです。音楽で生きる人なんだから当たり前なんだけどね。