レビュー:「Food」/Kelis

ネプチューンズのプロデュースでデビューから注目され、最近はEDMの女王と見られていたケリスがなんとニンジャチューンに移籍し、TV ON THE RADIOのデイヴ・シーテックをプロデュースに迎えた新作。元々ニルヴァーナのカバーをしたり、R&Bの枠に収まる人じゃなかったですが、今回は本当に様々な音楽が入り乱れた素晴らしいアルバムになりました。しかも13人編成のブラスやらストリングスの入ったバンドの生演奏が基本。でも別にヴィンテージソウルな感じではなくとても現代的。音処理とアレンジが完全に今なんだよね。打ち込みで過激にぶっ壊すことに飽きたケリスがたどり着いた現代的な構築美。今スリリングな音楽はこういうものだよ。なんでも歪ませりゃあいいってもんじゃないだろ。今年の1枚になる予感。