2014年もたくさん音楽を聴きました。音楽バカ一代としては、音楽を買うのはもはやご飯を食べるのと一緒。もう当然のこととなってます。アナログを買うようになったので、中古盤を買う頻度は増えて、CDを買うのは減ったような気がしてましたが、新譜はCDと決めた結果、例年通りに新しい音をチェックしていたみたい。今調べたら、2014年リリースだけでも60枚くらいだ。1ヵ月5枚か。意外に少ないな・・・。まあ試聴して、吟味して買うようになったからね。音楽雑誌をあんまり見なくなったのも影響あったかな。
さてそんな僕のリスニング状況の中からベストアルバムを発表!いつもベスト10で発表してましたが、今回は迷うのが多すぎる!ということで洋楽邦楽で分けてしまった。今年の作品はこれだ!みたいなのは正直なかったんだけど、例年だったら5位くらい、の作品がめちゃ多くて。相当苦労して選びました。まず洋楽。
地味だし、オーソドックスな音楽なんだけど、音に対しての感覚が鋭敏で、実はとても現代的な音をしているというのが味噌。この人たちはいつも良い作品を作ってきますが。今回は一番ツボかなぁ。このPVもとても好きです。
エブリシング・バット・ザ・ガールのベンワットのソロ2枚目。何年ぶりだよ?でもね、この枯れた味わいが何とも言えません。前の作品もそうなんだけど、この人の作品は長く聴ける作品ばかり。華美ではないけれで、しっかりとしたメロディーと素朴な音が、心を鷲掴みです。
アット・ザ・ドライブインやマーズヴォルタのアフロ二人とレッチリの二人が組んだスーパーバンド。ラウドロックじゃない音にめちゃめちゃシンパシーです。まったく流行と関係ない音。これぞR&Rです。気合いを感じるところも最高。
今年一番聞いた新人バンドはこれ。イギリスのギターバンドでしっくりくるのは久しぶりです。まあ新しさは特にないんだけど、イギリスのサイケなバンドの典型的な音で、一つ一つの音が寝られてる。特に好きなのは12弦ギターの音。しかもメロがとても良い。このバンドのセカンドは楽しみだなぁ。どんな音になるのかな?
5.Midnight Sun/The Ghost of a Saber Tooth Tiger
60年代サイケが好きな者同士としてのシンパシーを強く感じる大好きな作品。彼女と作ったっていうちょっとデタラメ感があるのがいいよね。しかも編集だの面倒くさいことは全部彼女にやらせて、自分は射精して終わりみたいな。いやこれは彼女が言ってた言葉ですからね。母性とやんちゃな子供のサイケ作品。めちぇくちゃシンパシー。
6.Morning Phase/Beck
ベックの静かなサイドに振り切った作品、シーチェンジと一緒ですね。この音の豊潤さとか、メロディーの切なさとか、さすがベック。まあ最近のアッパーな作品が好きな僕としては若干の寂しさはありますが、このクオリティーを見せつけられたら降参です。またライブ見たいなぁ。
現在最強のポップアイコン。こういう音楽がヒットチャートの上にいるのはとてもいいなーと思います。奇をてらったわけではなく、しっかり考え込まれたサウンドとメロディー。そして声の魅力と存在感。これぞポップ。わが娘たおがこの曲を口ずさむのもうなずけます。
8.Seeds/TV on The Radio
Antemasqueと逆で、これぞ現在の音のロックバンド。リズムがダンスミュージックを強く感じさせて、ギターも作り込まれた刺激的な音で、その上にシンプルなメロディーが乗る。いやあここまでわかりやすい音にしてくるとは思わなかった。全曲とても軽やかでかっこいいです。でも「Lover's Day」みたいな最強の1曲が欲しかったかなぁ。まあ10年に一度の曲を何曲も求めるのは酷ですけど。ちなみにこの曲。
9.Salad Days/Mac DeMarco
カートヴァイルにも繋がる、アメリカインディーど真ん中のギターサイケデリアポップ。まあカナダ人ですけど。ただカードヴァイルほどの完成度はなく、ある意味もっとカジュアル。そこが良さでもあるかな。ドラムとベ
ースにチープなギター、オルガンくらいしか入ってない、本当にシンプルな音で、でもどこかで根本からねじれているような感覚がたまりません。これは大穴だったなぁ。
10.Benjamin Booker/Benjamin Booker
ラフトレードが発掘した現代のブルース。黒人でありながら、ニルヴァーナなどにも影響を受けたようなささくれたインディー感が新しい。基本的にはシンプルなR&Rなんだけど、音の荒れ方が今の音楽。こういうDTMで作れない音楽に惹かれます。はい。
と、このようなランキングになりました。2014年に思ったのは、コンピューターベースで音楽が作られるようになって、どんどん進化して、ビョークやエレクトロニカの人達が引っ張っていった、どこにもない音で作った音楽。コンピューターで加工しまくって、ドラムもドラムではなく、ベースもベースじゃないような音楽はとても刺激的なんだけど、その新しさばかりに評価が行ってしまって、本当の意味で楽しめてるのかなぁ?という疑問が浮かんだ一年だったかな。
そんな中で今回選んだ人たちは、みんなオーセンティックというか、昔ながらの音を使いながら、新しい音像を作りだしてる。そこが面白い。わかりやすい新しさはゼロだけど、豊潤な音楽の歴史をしっかり受け継いでる。伝統のリレーがある。
さらに、一人で作る音楽ではないところ。やっぱり一人の設計図に沿って一人で完成させるよりも、雑多な意見が入った音楽に惹かれる。今の時代は一人で全部作れちゃうからね。音楽の幅っていうかな。そういう豊かさが感じる音楽がいいです。
他にもベテランで良いアルバムを作ったのはロディフレイム、スザンヌヴェガ、コナーオバーストも良かった。特にロディフレイムの肩の力が抜けた感じは、ゆったり椅子に座って聴くのにぴったり。まあ刺激はないけどね。イールズはいつも良いんだけど、前作がめちゃくちゃ好きだったので、今回は少し物足りない感じが。まあ地味なところが持ち味の人だからしょうがないんですけどさすがに地味すぎる気が(苦笑)あとは元ジョナサンファイアーイーターで、ウォークメンのHamilton Leithauser(なんて読むかわからん)の初ソロが凄い良かった。これもトラディショナルな音に今の感覚のハイブリッド。スプーンと凄い繋がります。それとウィルコのジェフが息子と組んだゆるゆるポップのTWEEDYも金太郎飴のようなポップで楽しかったね。あとは新しいロックバンドだとロイヤルブラッド、クラウドナッシングス、ピープルゲットレディがいいですね。この辺は2枚目なのかな?でもそれぞれ他のアーティストにはない魅力があって、次も聞きたいと思えたかな。そして女性アーティストでは意外にも(?)期待を裏切らなかったラナデルレイ、デヴィッドバーンとの共演を経て一気に存在感が増したセイントヴィンセント。この二人は地盤を固めた気がします。そして最後にゲストを多数迎えて、ビートルズのサージェントペパーズをカバーしたフレーミングリップス。あのやり過ぎ感はくせになるね。胃もたれするけれど(笑)
いや本当に2014年は小粒な豊作の年でした。こんな年もいい気がするな。それぞれが独立した世界ができ始めてるのかも。世界的なムーブメントは難しいかもしれないけど、良質な音楽がたくさんあるのは、とても豊かな世界だと思います。
もう日本人は無理だ。こちらは次回に。そしてこんな趣味の僕のライブはいよいよ来週。ぜひ遊びに来てください。
1月15日(金) 高円寺HIGH
Open18:00/Start18:30
前売\2,000/当日\2,500
[雪折れのころ]
出演:エガワヒロシ/蝦名恵/谷山竜志/イシタミ/いしばしさちこ