「Ash&Ice」/KILLS

良い音楽の要素の一つに、伝統を継承しているかというのがあります。勿論、過去をぶった切るようなニューウェーブも大好きですが、それでも過去の音楽をたらふく聴いて、その中から受け継ぐものを選別することが大事だと思うのです。

その点、このキルズというバンドは伝統的なブルースやガレージの形式を取りながら、そこに何とも生々しいマシーンビートを投入。この二つのバランスが絶妙。革新と継承を両手に抱え、どちらも手放さない。

そしてその音楽の出口にはなんともセクシーで、そして凄みたっぷりのボーカル。色っぽくてかっこいい女性ボーカルのガレージなんて最高でしょ。

イデアは誰でも思い浮かぶようなものだけど、結局センスと人の魅力が、そのアイデアを最高のものにする例。キルズは賞味期限切れないねぇ。