久しぶりに本のレビュー。本のレビューはネタバレになっちゃうから難しいよね。僕は本に関してはそんなに読み散らかすタイプではなく、日本の小説家で新作が出たらチャックするのはW村上(表現が古いw)、よしもとばなな、奥田英朗、角田光代さん、中村航さんくらいか(知ってる人は呼び捨てしづらいのでさん付けで)。もちろん色々読んではいますけど。
そんな中で比較的読む頻度が多いのが伊坂幸太郎さん。とにかく物語がうまいのと、会話に気が利いてる。そしてエンターテイメント色が強いけどギリギリ心にちゃんと残る小説になってる。純文学とは言えないんだろうけど。その伊坂作品の中でも、特にわかりやすいのがこの作品。5つのエピソードが進むたびに、異形のヒロイン、繭美の魅力が増してくる。言い訳の一切ないその存在は強烈。対して星野君は言い訳がたくさんなのにそれをすべて許したくなる真逆の存在。そんな二人に少しずつ絆が生まれて、最後のシーン。まあ終わりはちょっとわざとらしくもあるけど、エンターテイメントを手放さないその姿勢はこれぞ伊坂幸太郎。僕は好きな作品です。
でも最初から繭美がでてくるたびにマツコデラックスが頭に浮かんでしょうがなかった。実写化するときは他の人はありえないですよ。