「パブロの恋人」/小島麻由美


好きな日本の女性シンガーソングライターと言われて思い浮かぶのは、チャラさんや平岡恵子さん、湯川潮音さん、伊藤サチコちゃんとか色々いますが、その中で特別な位置を占めるのがこの小島麻由美さん。

この人の音楽の魅力を説明するのは難しい。キャバレー感とか、ジャジーなところとか、フレンチ感とか音楽の良さは色々あるんだけど、結局は声。というか吐息と声が裏返る瞬間。これに尽きる。あの瞬間、男の真ん中的な場所を射抜かれる感じ、それをどう表現したら良いのだろう?とにかくキュートなのにストレンジで、謎の存在感。たまらんのですよ。

その中でもこのアルバムは気だるさと弾けるキュート感のバランスが絶妙で。これ以上のバランスは思いつかない。少女と老婆が一緒に襲ってくるような、全世代の男を骨抜きにするアルバム。最高でしょ。まあ嫁と小島麻由美どっちかを選べと言われたら、躊躇なく嫁を選ぶわけですけど。