「Stranger to stranger」/PAUL SIMON


サイモン&ガーファンクル時代から芳醇な音楽、音作りの人でしたが、ソロになってからのポールサイモンの音楽的な探究心にはさらに頭が下がります。それはこの昨年発表した最新アルバムでも顕著でした。

もう完全におじいちゃんのポールサイモンが、さらにおじいちゃんのロイハリーを共同プロデュースに担ぎ出し、作り出したのは名作「グレイスランド」をアップデートさせたようなリズミックな傑作!おじいちゃん同士、昔を懐かしむような作品かと思ったらとんでもない!レディオヘッドやらのレフトフィールドへはみ出していくミュージシャンの作品と比べたってもっとスリリングで、エッジが立ちまくりの鳥肌ものの作品。

中でも特筆はイタリアのストレンジ極まりないリズムミュージックを作るクラップ!クラップ!を起用してるところ。この全く衰えてない嗅覚には恐れ入る。自分が試聴した音楽の中でも、おっ!と思えるものをおじいちゃんがチョイスしてくる驚き。しかもそのサウンドを完全に我が物にしてる。まあクラップ!クラップ!自体が「グレイスランド」の末裔みたいなものなんですけどね。

まあとにかくチャレンジングでありながらきっちりポップに着地してるところが素晴らしい。ポールサイモンの音楽がつまらなかったことなんて一度もない。ティーンが聴くには高尚すぎる気もするするけれど。昨年のナンバーワンはこれにするべきだった。後悔。