レビュー:「WAKIN ON A PRETTY DAZE」/Kurt Vile


アメリカインディシーンのミュージシャンズミュージシャン、カートヴァイルの5枚目。最高傑作となった前作の後なので、どこか構えたところがあるかと思いきや、まったくの自然体。爽やかという言葉さえ連想させるアコースティックギターの調べ、そこにサイケデリックな音でエレキが絡んでいく。サーストンやJマスシス、ディアハンターのブラッドフォードコックス、パンダベアらが絶賛するのもうなずく圧倒的な音像。この人ならではの色が満載。しかもメロディーが本当に心に残るし、プライベートな気持ちに引っ張られる声も印象的。今もっとも完成度が高く、しかもエバーグリーンな音楽をやってるのはこの人だと思う。別に過激なことをしてるわけじゃないのに刺激的だしね。どこを切っても文句が出ない。こういうさりげない音色でサイケやるのって凄くいいよね。ギターをやたらを重ねるわけじゃなく、殊更エフェクトを重ねるでもない、自然体のサイケ。憧れるわー。しかもシンガーソングライター。まずはギターの練習から初めてこの人を追いかけよう。大絶賛。降参。