レビュー

「Drawn To Deep End」/Gene

ブリットポップを担った英国らしい名バンドの2枚目。英国ロックって起源はビートルズ、フー、キンクスの3大バンドだと思うんですけど、その英国ロックにひねりを加えてもう一つの源流となった偉大なバンドがスミス。そしてそのスミスの直系バンドがこのジ…

「Transmissions from the Satellite Heart」/The Flaming Lips

フレーミングリップスと言えば「Soft Bulletin」以降の血みどろエログロディズニーランドのようなオルタナティブファンタジーミュージックが素晴らしい!というような風潮になってますが、その前の時代のメジャーデビュー後の3枚がとても良いんです。このア…

The Best Day」/Thurston Moore

アメリカインディー界のドンみたいな立場になっても、文系青年みたいな風情のソニックユースのフロントマン、サーストンムーアのソロ最新作。 意外とソロではフォーキーな感じが強かったんだけど、本体のソニックユースがキムキム姉さんとの離婚で止まり、バ…

「STAR WARS」/WILCO

アメリカインディーミュージック界で今一番信頼されているバンド、ウィルコ。なんとフリーのダウンロードでアルバムをリリース。びっくりしてたら、普通にアルバムも発売になりました。これ売上的にはどうだったんだろう?ウィルコの音楽の一番好きなところ…

「SAMPLING MADNESS」/HONDALADY

昨日も素晴らしい復活(?)ライブを見せてくれたHONDALADYの新作。このコンスタントに新作を出す姿は本当に尊敬しかない。サンプリングという手法は今や危ういものになってる。特に今はオリンピックロゴのパクリ問題もあって、明らかなオマージュに対しても…

「ぶらんこ乗り」/いしいしんじ

僕は小説に関してはあんまり冒険をしないので、なかなか新しい作家に出会うことはありません。本を読むのって忍耐力もいるから、面白くない人は極力避けたいんだよね。でも友達にこの作家の感想が聞きたい!と勧められて読んだのがこのいしいしんじさん。も…

「Fragment & waves」/ミムラス内藤彰子

盟友ミムラスの待望のアルバム。カーリージラフのレーベルからリリースです。今回はクラムボンなどを手掛ける星野誠にミックスしてもらって音を追い込んだ作品。実は僕がほっしーを紹介したんですが、けっこうやりあったみたいですね(苦笑)でもそのミムラ…

「オーデュポンの祈り」/伊坂幸太郎

久しぶりの小説をレビュー。伊坂幸太郎という人は、純文学的感覚とエンターテイメントのバランスがとても良くて。いつもエンターテイメントが強いのに、どこか苦味というか、後味が残るところが気に入ってます。でもだいたい話が面白すぎというかうますぎて…

「Killing flower」/alcana

アルカナの超絶なミニアルバムをレビュー。もう本当に文句なく傑作な一枚。文句があるとしたら5曲だけかい!(実質は4曲だし)ってとこだけ。曲もアレンジも音色もグルーヴも最高。そして歌が本当に良い。どんな音楽かと言われたら、一番簡単にイメージで…

「Sound&Color」/Alabama Shakes

凄い話題になってても、なんとなく触れることなく過ぎて行ってしまうアーティストがいたりします。興味がないのではなく、単純にめぐり合わせというか。そんな感じで聴いてなかったのがこのアラバマシェイクス。ブルージーでガレージなR&Rなんて大好物なのに…

「SAD COMMUNICATION」/POLTA

POLTAがついにファーストアルバムをリリース!これが名盤なんです。渋谷系から繋がるポップミュージックの感じと、歌謡曲までも飲み込むようなメロウ感、それでいて、バンドサウンドにはパンチのあるガレージ感もあり、天然のニューウェーブ感まで揃う。そし…

「Saturns Pattern」/Paul Weller

ポール師匠の新作です。何が凄いって、この人はジャムでも、スタカンでも、ソロでも売れて、しかもその売れた音楽に未練をまったく見せずに音楽性をどんどん変えていくところ。だいたいもうソロでも順調に活動してて、どう考えても一番この人の根っこにある…

「Blur」/Blur

僕は1枚目から3枚目までの英国臭プンプンのブラーが異常に好きなので、ソング2やビートルバムをかっこよいとは思っても、どこか心底好き!とは当時言えなかったのがこのアルバム。だけど今は完全にアメリカインディーにどっぷり浸かっているので、これはめ…

「EXPOSED」/BOOM BOOM SATELLITES

日本でダンスミュージックとロックを一番ダイナミックに融合してるブンブンですが、このアルバムは今までで一番メロディック。ポップというのはちょっとはまらないと思うけど、一番聞きやすいのは間違いない。音楽やっていると、若いうちは尖がってること、…

「V For Vaselines」/The Vaselines

スコティッシュギターポップの伝説的バンド、ヴァセリンズの再結成後のアルバム。 もうユージン・ケリーとフランシス・マッキーの二人もけっこうな年齢になっているはずなので、若さあふれる!みたいな感じは出ないんだけど、なんというか、ピュアな青臭さが…

「What For?」/Toro y Moi

アメリカのチルウェイブに属すると良く言われるトロ・イ・モアのニューアルバム。元々ジャンルからはみ出る音楽性の人だったけど、今回は本当に60年代サイケっぽいギターミュージックで、とても打ち込みベースの音楽を作っていた人とは思えない。あまりの…

「The Scene Between」/The Go! Team

デビュー当時ジャクソン5とソニックユースの邂逅と言われてて、その表現に膝を打ったザ・ゴー!チームの4枚目。そのパーティー感あふれるリズムと女の子のボーカル&コーラス、そしてその世界を包み込む轟音ギター。音はすべてチープなんだけど華やかで、気…

「Black Rivers」/Black Rivers

昔DOVESという地味なおっさん3人が、センチメンタルでロマンティックなメロディーを奏でる曲をやってたんですが、その中の2人(2人は兄弟)が組んだ新バンド。特にDOVESとの変化は感じないですが、いつだって外さない、ツボを突く名曲の数々。なんか派手な…

「The Magic Whip」/Blur

ブラ―まさかの新譜です。僕はこの人達の1枚目から3枚目にめちゃくちゃ影響を受けました。これまでのひねくれたポップをやる人たちって、学者肌的な人が多くて、フィジカルが足りない人が多かった。でもブラーはデーモンがやんちゃな暴れん坊ぶりを発揮し、…

「Strangers to Ourselves 」/Modest Mouse

所謂アメリカのインディーロックというものが大好きです。その中でも断トツに好きなバンドがこのモデストマウス。 音楽には様々なものがあって、その中に黒人音楽にカテゴライズされるファンクミュージックというものがあります。ファンクに影響を受けたバン…

「SOFT CONNECTIONS 」/Nic Hessler

カリフォルニアのインディーポップシーンから現れたギターポップの王道を奏でる新鋭。元々CATWALKという名前で一人で活動してた人が、本名で始めました!ってことみたい。音はアコギの音と、クリーンなアルペジオで構成される端正な音で、まあ60年代の匂いが…

「Chasing Yesterday」/Noel Gallagher's High Flying Birds

音楽と言うのは、結局メロディーとリズム、そして音色なわけです。その中で音色は玄人好みの世界に入りがちだし、リズムは派手にリズムを組み立てるものは別にして、細かいリズムの違いは耳の超えた人以外は判断しにくい。グルーヴが違う!とかね。そんな中…

「Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sitl」/Courtney Barnett

この間タワーレコードで試聴して一目惚れで買ったオーストラリアの女性シンガーソングライターのアルバムを紹介。別にSSWだからって丁寧に音を紡いでいくイメージではなく、サウンドはまさに豪快。ガイデッド・バイ・ヴォイシスにつながるようなローファイに…

「Uptown Special」/Mark Ronson

セレブご用達DJにして、イケてるプロデューサーのマークロンソンのソロアルバム。4枚目かな?作家の母と不動産業の企業家の父親との間に生まれ、親戚にイギリスの大臣がいるというセレブ中のセレブ。お母さんがお父さんと離婚後に結婚した、所謂義理のお…

「I Wasn't Born to Lose You」/Swervedriver

シューゲイザーの代表的バンド、スワーヴドライバーの17年ぶりのアルバム。あの時代の空気を真空パックしたような作品なんだけど、このバンドは元々シューゲイザーシューゲイザーしてるわけではないので(なんだこの表現?笑)、シューゲイザーに関係なく、…

「SCARY MONSTERS」/David Bowie

久しぶりに聞いたボウイの傑作を。このアルバムは70年代末からの所謂ベルリン三部作の後の作品で、レッツダンスでバカ売れする前という過渡期の作品。でもこのアルバムはポップとエキセントリックのバランスが絶妙。のちのニューロマ感も先取りしてて、ビ…

「NO CITIES TO LOVE」/SLEATER KINNEY

ライオットガールムーブメントが最後に残した最も芳醇な果実がこのスレーターキニー。なんと10年ぶりに復活!しかもさらに力強くなって復活です!うれしい!ギター2本にドラムというガレージバンドスタイルで繰り出されるR&Rは、ガレージの枠だけに収まらず…

「Everything Ever Written」/Idlewild

スコットランドはエジンバラの雄、アイドルワイルド6年ぶりのアルバム。僕はこのバンドのアルバムを全部持ってるくらい好きなんですが、初期はブリットポップ後のダウナーな時代にむしろグランジ寄りのパンクサウンドで出てきて。その後はREM流れの少し大人…

「DQS」/DQS

ドラム11台の規格外バンド、DQSの初アルバム。リズムというものには音階がないので、リズムを前面に出したバンドになると、どうしてもポリリズムとか、変拍子の世界にのめりこむことになり、難解になりやすい。このDQSにおいても、変拍子やポリリズムは登場…

「Lost in the Dream」/The War on Drugs

アメリカの吟遊詩人、アダム・グランデュシエル率いるサイケデリックバンドの3枚目。初期には同じように淡い色彩の音楽を奏でるシンガーソングライター、カートヴァイルもメンバーだったというこのバンド、とてもオーソドックスな編成で、オーソドックスな…